ロープレが「意味がない」と言われてしまう理由
営業のロープレには、根強い苦手意識があります。
ソフトブレーン・サービスが営業に関わる346人へ行った調査(2021年)では、否定的な意見の1位は「他人に自分の営業を見られるから」で56%でした。
やり方の問題として整理すると、つまずきは3つに分かれます。
- 設定が本番と違う=相手も場面もぼんやりしたまま始めるので、話がどこにも着地しない
- 返ってくる言葉が人によって変わる=同じ商談でも、見る人が変わると評価が変わる
- やって終わりで残らない=翌週には、何を直すつもりだったか思い出せない
最初の2つは、相手役をAIにすると形が変わります。
条件は自分で決められますし、返ってくる言葉は毎回同じ観点でそろいます。
3つめだけは、道具では解けません。
あとに残す形のつくり方は、この記事の後半でお伝えします。
一人で練習する5つのやり方
一人でできる練習は、いくつもあります。
大事なのは、それぞれ鍛えられる場所が違うことです。
- 声に出して読む=言いにくい言い回しが見つかる。相手の反応は起きない
- 鏡の前でやる=表情と姿勢が整う。話の中身は変わらない
- 頭の中で流す=移動中にできる。都合のよい展開になりやすい
- スマホで自分を撮る=口ぐせと間の取り方が見える。見返すのに気力が要る
- AIに相手役をしてもらう=返ってくる言葉が読めない。表情と声は鍛えられない
想定していなかった言葉が返ってくるのは、この中では最後の1つだけです。
反対に、姿勢や声を直したいときは、撮って見返すほうが早く進みます。
組み合わせるなら、AIで話の中身をつくり、撮って出し方を整える。この順番が回しやすい形です。
1回5分、テーマは1つだけに絞る
ロープレは30分から1時間かけて行うもの、という印象があるかもしれません。
先の調査でも、1回30〜60分が最も多いという結果でした。
ただ、まとまった時間を毎週とるのは簡単ではありません。
同じ調査で、実施の頻度は週1回未満が43%でした。
一人での練習は、ここを分けられます。
商談をまるごと再現せず、1回に鍛える場所を1つだけ決めて、5分で終える。この形なら続きます。
商談を4つに割って考える
- 入り=最初のひとことと、名乗り方
- 聞く=相手の困りごとを引き出すところ
- 渡す=提案を、相手の言葉に合わせて置くところ
- 決める=次に何をするかを、その場で約束するところ
今週は「聞く」だけ、来週は「決める」だけ。
1つに絞ると、うまくいったかどうかが自分でも分かります。
全部を一度に直そうとすると、何が効いたのか分からないまま終わります。
お客さん役は、手ごわい相手ばかり選ばない
練習でやりがちなのが、いちばん難しい相手ばかり選ぶことです。
気持ちは分かりますが、最初から買う気のない相手を置くと、練習になりません。
断られる形しか出てこないので、うまくいく形が手元に残らないためです。
3回できるなら、こう配ると釣り合います。
- 1回目=話を聞いてくれる相手。うまくいく形を、一度通しでつくる
- 2回目=反応が読めない相手。想定していなかった質問に慣れる
- 3回目=手ごわい相手。断られたあとの一言だけを取りに行く
明日の商談が決まっているときは、お客さん役で「明日の商談の相手を自由設定」を選んでください。
役職と業種、気にしていそうなことが1つ分かれば、練習として成り立ちます。
フィードバックの受け取り方
返ってきた言葉を全部直そうとすると、たいてい何も残りません。
受け取り方には順番があります。
1 起きたことを先に拾う
どこで相手の言葉が止まったか。どこから前に進んだか。
良し悪しの前に、起きたことを1つか2つ書き出します。
2 直すのは1つに決める
いくつも同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
次の商談で試すのは1つだけにしてください。
3 しっくりこないものは、置いていく
相手役はAIで、あなたの商材も社内の事情も全部は知りません。
違うと感じた指摘は、無理に取り入れなくて大丈夫です。
違和感そのものが情報です。自分がどこを大事にしているかの線が、そこに出ています。
自分で見るときの7つのところ
一人での練習の弱点は、採点が甘くなることです。
見るところを決めておくと、自分でも粗を拾えます。
- 最初のひとことで、相手の警戒がゆるんだか
- 相手の困りごとを、相手の言葉のまま聞けたか
- 提案が、聞いた話とつながっていたか
- ほかとの違いを、比べられる形で言えたか
- 金額と条件を、こちらから先に出せたか
- 相手が黙ったとき、埋めずに待てたか
- 次に何をするかを、その場で決めて終われたか
AIとの練習で、気をつけたいこと
便利な相手ですが、できないこともあります。
先に知っておくと、使いどころを間違えません。
- 実在の会社や人ではありません=お客様の人柄をそのまま再現するものではありません
- 本番のほうが読めません=実際の商談では、話がまったく別のところへ飛びます
- 表情と声は鍛えられません=テキストの練習で整うのは、話の順番と言葉選びです
- お客様の名前や、社外に出せない情報は入れないでください=相手の設定は、役職・業種・気にしていそうなことで足ります
この練習場では、入力した内容は練習が終わると消えます。
それでも、実名や未公開の情報は入れずに使うほうが安心です。
よくある質問
画面の流れと使い方は、ツールの解説記事にまとめてあります。
練習で見つけた言葉を、あとに残す。
ロープレが続かない最大の理由は、やったことが残らないことです。アプリ「自分と話すノート」は、その日あったことをひとこと書いていくだけで、何を大事にして選んできたかが8つの軸のマップとして見えてきます。練習のあとの3行を置く場所としても使えます。無料ではじめられます。
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