1on1テンプレート・シートの全項目と書き方 記入例つき

この記事の監修・執筆:鶴田 洋(株式会社Rin 代表)
ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ(2025年取得・Gallup公式プロフィール)。東証プライム企業で管理職として1on1を実践し、これまでに500回以上のコーチングセッションを実施。企業向けの1on1・マネジメント研修も行っています。

1on1を始めて3カ月で、話すことが尽きました。

毎回「最近どう?」から入り、雑談で30分が終わる。
部下からは「この時間、何のためにやるんでしたっけ」と聞かれる。私の1on1は、シートを使い始めるまでそういう時間でした。

変えたのはテンプレートです。何を書くかが決まると、何を話すかが決まります。
1on1が雑談で終わる、記録が残らない、続かない。どれかに心当たりがあるなら、最後まで読んでいただく価値があると思います。そのまま使えるシートの全項目と記入例、アジェンダの組み立て方まで書きました。

最終更新:2026年8月18日

目次
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1on1シートのテンプレート そのまま使える全項目

先にテンプレートを出します。項目は7つ。A4の1枚、あるいはスプレッドシートの1行に収まる分量です。
コピーして、自分のチームの言葉に直して使ってください。

項目 書くこと 書く人 書くタイミング
1. 今日話したいこと 部下が話したい主題を1〜3個 部下 前日まで
2. 前回決めたことの進み 前回の一歩がどうなったか 部下 前日まで
3. いまの状態 仕事量・調子・気がかりを一言 部下 前日まで
4. 話した内容のメモ 出た話題と本人の言葉 上司 面談中
5. 次の一歩 誰が・何を・いつまでに 2人で 面談の最後
6. 上司が持ち帰ること 調整・確認を約束したこと 上司 面談の最後
7. 次回の日時 次の1on1の予定 2人で 面談の最後

肝は、1〜3を部下が事前に書くことです。
ここが空欄のまま当日を迎えると、1on1は上司の進捗確認に戻ります。逆にここさえ埋まっていれば、シートの残りは面談が勝手に埋めてくれます。

1on1テンプレートの項目を7つに絞った理由

世の中のテンプレートには、20項目を超えるものもあります。
試した結論として、項目が多いシートは3週間で書かれなくなります。記入が面談の準備ではなく仕事になるからです。

7項目は、1on1の定義から逆算しています。
内閣人事局の面談ガイドライン(令和4年6月)は、1on1ミーティングを「相手の成長と成果を支援するために1対1で行う対話(面談)のこと」と説明しています(内閣人事局 面談ガイドライン)。

主役は相手、目的は成長と成果の支援。
だから「部下が話したいこと」が最初にあり、「上司が持ち帰ること」が後ろにあります。評価のための査定項目は、このシートには入れません。評価とは別の場だと形で示すことが、本音の出る条件になります。

同じガイドラインは、面談を期首と期末だけで済ませないことも求めています。
「期首・期末面談を行うことでよしとするのではなく、期中においても被評価者と定期的に対話の機会を設け、信頼関係を醸成するとともに、被評価者の状況を把握したり、業務や役割をすり合わせたり、相談に応じたり、成長を促していくための指導・助言を行います」という記述です。

1on1はまさにこの「期中の定期的な対話」にあたります。
つまり1on1シートは、評価のための書類ではなく、評価面談だけでは拾えない日常の変化を拾う道具です。

1on1ミーティングのシートの書き方 記入例つき

項目が同じでも、書き方で効果が分かれます。
よくある書き方と、機能する書き方を並べます。

1on1シートのよい記入例

  • 今日話したいこと:「A社案件の進め方。関係部署との調整で消耗している」
  • いまの状態:「業務量は7割くらい。ただ夕方に集中が切れる日が続いている」
  • 話した内容のメモ:「調整そのものより、判断を全部自分で抱えているのがつらい、という言葉が出た」
  • 次の一歩:「本人:判断に迷った案件を週次で一覧にする(金曜まで)。上司:B部長に調整ルートを確認(水曜まで)」

1on1シートの避けたい記入例

  • 今日話したいこと:「特になし」
  • いまの状態:「順調」
  • 話した内容のメモ:「進捗確認。問題なし」
  • 次の一歩:「引き続き頑張る」

違いは2つです。
本人の言葉をそのまま残すこと。そして次の一歩に、誰が・何を・いつまでにを入れることです。「引き続き頑張る」は行動ではないので、次回の振り返りができません。

書き方で迷ったときの物差し

「次回の自分が読んで、話を再開できるか」で判断してください。
シートは提出物ではなく、2人の会話の続きを保存するファイルです。きれいに書く必要はありません。

1on1のアジェンダ 30分の組み立て方

シートの項目は、そのままアジェンダになります。
30分なら、この流れをおすすめします。

  • 最初の3分:シートの「いまの状態」を口頭で確認する
  • 次の5分:前回決めたことの進みを振り返る
  • 真ん中の15分:今日話したいことを深く聞く。ここでは上司は聞き役に回る
  • 次の5分:認識をすり合わせ、選択肢を一緒に出す
  • 最後の2分:次の一歩と次回日時をシートに書いて終える

アジェンダの目的は、話題を管理することではなく、真ん中の15分を守ることです。
前後が型で固まっているほど、真ん中で自由に話せます。アジェンダ作りの考え方は1on1アジェンダのテンプレートと作り方でも掘り下げています。

1on1の質問項目リスト シートに添える25問

シートとセットで、質問の手札を持っておくと沈黙が怖くなくなります。
場面別に25問を置きます。1回の1on1で使うのは2〜3問で十分です。

入り口の質問項目

  • 今日はどこから話しましょうか
  • ここ2週間で、いちばん時間を使ったことは何ですか
  • 最近、少しうまくいったことはありますか
  • いまの調子を10点満点で言うと何点ですか
  • その点数の理由を聞かせてください

深掘りの質問項目

  • その件を、本当はどうしたいですか
  • いちばん引っかかっているのはどの部分ですか
  • それが解決したら、何が変わりますか
  • 同じ場面がまた来たら、次はどうしたいですか
  • いまの話で、まだ言葉になっていないことはありますか

選択肢を広げる質問項目

  • やり方を3つ挙げるとしたら、何がありますか
  • もし制約がなかったら、どうしますか
  • 尊敬している人なら、この場面でどうすると思いますか
  • 逆に、やらないと決めてもいいことはありますか
  • 半年後の自分から見たら、いまの選択はどう見えそうですか

行動につなげる質問項目

  • まず何から手をつけますか
  • それはいつまでに、どこまで進んでいたら順調ですか
  • 進まなくなったら、何がサインになりますか
  • 私に手伝えることはありますか
  • 今日の話を一言でまとめると、何になりますか

関係を育てる質問項目

  • この1on1のやり方で、変えてほしいところはありますか
  • 私からのフィードバックは、足りていますか
  • チームに対して感じていることを聞かせてください
  • 仕事で大事にしていることは何ですか
  • 最近、成長を感じた瞬間はありましたか

より場面を絞った聞き方は1on1で使える質問例50選にまとめています。
評価面談や人事面談など、1on1以外の面談で使う質問は部下との面談の質問例50選が対になります。

1on1のフォーマットの選び方 紙かスプレッドシートかツールか

同じテンプレートでも、載せるフォーマットで運用が変わります。
チームの人数と続けやすさで選んでください。

フォーマット 向いているチーム 強み 弱み
紙・手書き 1on1を始めたばかりの2〜3人 準備ゼロで今日から始められる 検索できず、蓄積が散らばる
スプレッドシート 3〜10人のチーム 無料で履歴が1枚に貯まる 書式が崩れやすく、通知がない
1on1ツール・タレント管理システム 複数チーム・全社導入 リマインドと分析が自動で付く 費用がかかり、定着前だと過剰

迷ったらスプレッドシートから始めてください。
行を足すだけで履歴になり、この記事の7項目を1行に並べれば今日から運用できます。ツールの導入は、シート運用が3カ月続いてからで遅くありません。

スプレッドシートで1on1シートを作る手順

作り方は5分で終わります。
新しいシートに、1行目の見出しとして「日付」「今日話したいこと」「前回決めたことの進み」「いまの状態」「話した内容のメモ」「次の一歩」「上司が持ち帰ること」の7列を作るだけです。

1回の1on1が1行になります。
部下と共有設定にして、面談の前日に部下が左3列を埋め、面談中に2人で右側を埋めます。行が下に増えるほど、過去の1on1を縦に見返せる台帳になります。

1on1ツールに移すタイミング

ツールを検討するのは、シートの運用が続いていて、かつ管理する対象が自分のチームを超えたときです。
複数の上司の1on1実施率を見たい、人事として全社の傾向を掴みたい。そうした「横串の悩み」が出てからで十分です。
逆に、続いていない運用はツールに載せ替えても続きません。先に型を作るのが順番です。

1on1面談シートの運用ルール 続けるための5つ

シートが続かない原因は、書式ではなくほぼ運用にあります。
500回以上のセッションと自分のチームでの実践から、効いた順に5つ挙げます。

1. 部下が書く欄を先に固定する

「今日話したいこと」を部下が前日までに書く。この1点だけは崩さないでください。
書かれていない日は、最初の5分で一緒に書くところから始めます。責めずに、書く習慣のほうを育てます。

2. 評価に使わないと宣言する

シートの内容が査定に響くと思われた瞬間、書かれる内容は安全なものだけになります。
「ここに書いたことは評価に使わない」と最初に言葉で伝え、実際に使わないことです。

3. 次の一歩は本人の言葉で書く

上司が書いた行動は、上司の宿題になります。
内閣人事局の面談ガイドラインにも、助言は「こうすればよくなるという提案の形」で伝えるとあります。決めるのは本人、書くのも本人です。

4. 週をまたいだら前回のシートから始める

「前回決めたこと、どうなりましたか」から入ると、1on1が線でつながります。
この振り返りの型は1on1の振り返りシートの書き方に詳しく書きました。

5. 3回書けなかったら項目を減らす

続かないのは意志の問題ではなく、書式が重い合図です。
7項目がつらければ「今日話したいこと」「次の一歩」の2項目まで削ってください。残す優先順位もこの2つです。

1on1シートのテンプレートに関するよくある質問

1on1シートのテンプレートはExcelとスプレッドシートのどちらで作るべきですか

2人で同時に見て書けるほうを選んでください。多くの場合はスプレッドシートです。
面談中に同じ画面を開き、次の一歩をその場で書き込める状態が理想です。

1on1シートは部下に見せるべきですか

全部見せてください。見せられないことを書かないのが原則です。
シートを共有物にすると、1on1が「上司の記録」から「2人の記録」に変わります。

1on1ミーティングのシートと評価面談の記録は分けるべきですか

分けてください。目的が違う記録を1枚にすると、どちらの機能も落ちます。
評価面談・人事面談との違いは部下との面談の質問例と進め方で整理しています。

話すことがない回はどうすればいいですか

シートの「いまの状態」を起点にしてください。点数を聞き、理由を聞くだけで15分は深まります。
それでも出ない日は短く切り上げて構いません。無理に埋めた30分より、10分で終えた誠実さのほうが次につながります。

1on1の頻度はどのくらいがよいですか

週1回か隔週で始めるチームが多いですが、続けられる頻度が正解です。
月1回でも、シートで前回とつながっていれば効果は積み上がります。頻度を落とすより、飛ばさないことを優先してください。

1on1テンプレートが機能しているかの確かめ方

シートを導入して1カ月たったら、書式ではなく中身を見てください。
機能しているかどうかは、次の3つのサインで分かります。

部下の欄に固有名詞が増えているか

「順調です」しか並ばないシートは、まだ安全な話しかされていない合図です。
案件名や人の名前、具体的な場面が書かれ始めたら、シートが信頼されてきた証拠です。

次の一歩が前回とつながっているか

毎回まっさらな話題から始まっているなら、記録が読み返されていません。
面談の最初の5分を「前回の行」を開くことに使うと、つながりが戻ります。

上司が持ち帰ることの欄が埋まっているか

この欄がずっと空欄なら、1on1が部下への要求だけで回っています。
調整する、確認する、機会を作る。上司側の宿題が毎回1つある状態が、対等な1on1の目安です。

1on1シートが貯まると何が変わるか

シートの価値は、1枚目より10枚目で分かります。
本人の言葉が時系列で貯まると、変化と成長が事実で見えるようになるからです。

「半年前は調整で消耗すると言っていたのに、いまは後輩の相談に乗っている」。
この変化を口頭の記憶だけで拾うのは難しく、シートがあれば1分で追えます。評価面談の根拠にも、本人の自信の材料にもなります。

まずは次の1on1の前に、7項目を1枚に写すところからで十分です。
使ってみて書きにくかった項目や、こう変えたら回った、という工夫があれば、ぜひ教えてください。いただいた実例を反映して、テンプレートを更新していきます。

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