ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ(2025年取得・Gallup公式プロフィール)。東証プライム企業で管理職・マネジメントを経験し、営業実績で全店1位を複数回達成。これまでに500回以上のコーチングセッションを実施しています。
「1on1って何のためにやるんだっけ?」と聞かれたとき、すぐ答えられるマネージャーは意外と少ない。評価のため、報告のため、部下のケアのため——目的が曖昧なまま続けていると、1on1は形骸化し、お互いにとって「消化するだけの時間」になってしまう。この記事では、1on1ミーティングの本来の目的を整理し、目的に沿った運用にするための実践的なコツを解説する。

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1on1ミーティングの目的とは何か
1on1の目的は、一言でいえば「メンバーの成長と組織へのエンゲージメントを継続的に支援すること」だ。評価面談でも進捗報告でもなく、あくまでメンバーが主役の対話の場である。
多くの企業が1on1を導入してきた背景には、こんな問題意識がある。チームミーティングでは「業務の話」しかできない。個人の悩み・キャリアの不安・人間関係のもやもやは、大勢の前では言い出しにくい。
だから週1〜2週に1回、マネージャーとメンバーが1対1で話す時間を意図的に設ける。マネージャーの関わり方がチームに与える影響は小さくない。Gallup社の調査では、従業員エンゲージメントのばらつきの70%以上はマネージャー要因で説明できると報告されている(Gallup調査)。1on1は、そのマネージャーの関わりを構造化する、数少ない仕組みの一つだ。
1on1で達成したい3つのこと
1. 心理的安全性の確保
メンバーが「この人には話せる」と感じる関係性を育てることが最初の目的だ。心理的安全性が低い職場では、問題が表面化する前にメンバーが離職する。1on1は、その兆候をマネージャーが早期に察知できる唯一の場になりえる。
Googleの生産性向上プロジェクト「Project Aristotle」でも、心理的安全性はチームの効果性を左右する最も重要な要素だと結論づけられている(Google re:Work「Understand team effectiveness」)。心理的安全性を高める具体的な関わり方は心理的安全性をつくるマネージャーの関わり方で詳しく解説している。
2. メンバーの成長支援
スキルアップ・キャリア形成・強みの発揮——これらはチームMTGでは扱えない。1on1では「あなたは今どんな成長を望んでいるか」を問い、具体的な行動につなげる。強みを軸にした問いかけは、モチベーションの維持にも直結する。問いの具体例は1on1で使える質問50選にまとめている。
3. 早期の課題発見と解決
業務上のブロッカー、チーム内の摩擦、業務量の偏りなど、定例MTGでは見えにくい課題が1on1で浮かび上がることは多い。週次・隔週で継続することで、小さな問題が大きくなる前に対処できる。
目的がズレるとどうなるか
よくある失敗は、1on1が「進捗確認の場」になってしまうことだ。マネージャーが業務の進行状況を聞くことに時間を使いすぎると、メンバーは「これ、普通の報告と何が違うの?」と感じ始める。
背景には、進め方を学ぶ機会そのものが少ないという事情もある。1on1の悩みとして上司・部下がもっとも多く挙げるのは「面談について学ぶ仕組みがない」ことで、上司の35.4%・部下の28.3%がこれを指摘している(パーソル総合研究所の調査)。型を知らないまま自己流で始めると、次のような状態に陥りやすい。
- マネージャーが話しすぎる(主役が逆転)
- アジェンダなしで場当たり的に進む
- 「大丈夫?」で終わる表面的なやりとり
- 次のアクションが決まらないまま終了
こうした状態が続くと、メンバーは1on1を「義務」と感じ、本音を話さなくなる。目的に立ち返ることが重要だ。
目的に沿った1on1にする3つのコツ
アジェンダはメンバーが作る
1on1の主役はメンバーだ。「今日話したいことを事前に3つ書いてきてほしい」とルール化するだけで、場の質が大きく変わる。マネージャーはファシリテーターとして、深掘りと問いかけに徹する。何を書けばいいか迷うメンバーには1on1のアジェンダテンプレートを渡すと準備しやすくなる。
「強みと成長」を必ず話題にする
業務の話だけで終わらせない。「最近うまくいったこと」「自分の強みが発揮できた場面」など、ポジティブな問いを入れると、メンバーのエネルギーが上がり、本音も出やすくなる。強みを軸にした対話は、株式会社Rinの法人向けAIコーチのサービスでも重視しているアプローチだ。
ネクストアクションを必ず決める
対話で終わらず、「次回までに〇〇する」という小さなコミットメントを毎回確認する。これにより1on1が「ただ話す場」から「成長のサイクルを回す場」へと変わる。
1on1の目的を組織で共有する
1on1が機能しない組織の多くで、「なぜやるのか」がマネージャーと組織でズレている。導入時には、以下の問いを管理職で揃えておきたい。マネージャーが事前にどこまで準備すべきかは1on1前にマネージャーが準備すべきことで具体的にまとめている。
- 1on1はメンバーのための時間か、マネージャーの管理ツールか
- どのくらいの頻度と時間が適切か
- 記録をどう残し、人材育成にどうつなげるか
目的が揃えば、1on1の質は自然と上がる。人材育成の仕組みとして1on1を機能させるには、ツールや記録の整備も欠かせない。法人向けAIコーチでは、1on1の振り返りをAIがサポートし、メンバーごとの成長履歴を蓄積する仕組みを提供している。
1on1の質を組織全体で上げたい場合は、人材育成・組織活性化研修をご覧ください。お互いの強みと価値観を先に言葉にしておくと、1on1で扱える話の幅が変わります。1名からでも実施でき、オンラインにも対応します。



コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 1on1という場そのものがなぜあるのかを先に知っておきたい場合は、1on1の目的とは何のためにやるのかという記事も参考になります。こちらは上司側の視点で書かれた記事です。 […]
[…] そもそも1on1で何を話すために場を設けているのか、1on1の目的と、何のためにやるのかを確認しておくと、話す量のずれにも気づきやすくなります。 […]