振り返りの書き方|例文6つとその場で書ける無料3行メモ

振り返りの書き方。例文6つと無料3行メモ。事実・気づき・次の一歩をノートに書く。

日報や週報の欄を前にして、手が止まる。そんな経験がある方は多いと思います。

書くことがないのではなく、何を書けばいいのかが分からなくなっている状態です。「振り返りの書き方が毎回自己流で、同じような一文で終えてしまう」と感じているなら、最後まで読んでいただく価値があると思います。

この記事では、迷わず書ける3行の型と、日報・週報・1on1・商談など場面別の例文6つ、目標の振り返り方、そして感謝日記について研究で分かっていることまで、まとめて整理しました。

無料の3行メモを、その場で書く / 場面別の例文6つを読む

その場で書ける、振り返りの3行メモ

事実・気づき・次にやることを、1つずつ短く書いてみましょう。各欄300字まで入力できます。

入力文をサーバーへ送信しません。このワークは入力を保存しません。残したいときは、結果をコピーしてメモなどに貼り付けてください。

記入例:先方から出た質問に、その場で数字を出せず持ち帰りになった。

記入例:想定していた質問の範囲が狭かった。

記入例:次回までに、想定質問と答えを3つ用意しておく。

目次
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振り返りの書き方 3行あれば形になる

振り返りの3行。事実を書く、気づきを残す、次の動作を決める

振り返りは、事実・気づき・次にやること、の3行で形になります。長い文章を書く必要はなく、この3行を埋めれば十分です。

事実 → 気づき → 次にやること の3行

1行目は、その日か、その場面で実際に起きたことを書きます。2行目は、そこから気づいたことや感じたことを書きます。3行目は、その気づきを受けて次にやることを、1つだけ書きます。この3行がそろえば、それだけで振り返りとして成立します。

3行の順番を入れ替えない理由

気づきから書き始めると、まだ起きていない解釈が先に立ちます。事実を先に置くことで、何が起きたのかを自分でも確認できます。順番を変えないことは、書きやすさだけでなく、あとから読み返したときの分かりやすさにもつながります。

事実の行に 評価の言葉を混ぜない

「うまくいかなかった」「だめだった」は、事実ではなく評価です。1行目には、誰が見ても同じように書ける出来事だけを置きます。評価は2行目の気づきに回します。

次にやることは「明日できる大きさ」にする

「もっと頑張る」のような大きさでは、次の日に何をすればいいか分かりません。次にやることは、明日の自分がそのまま実行できる大きさまで小さくします。「◯時に△△をする」のように、時間と行動がセットで思い浮かぶ大きさが目安です。小さいほど、翌日の振り返りで結果を確かめやすくなります。

振り返りが書けなくなる4つの原因

書き始める条件を整える。事実から書く、自分用に書く、短い期間を見る、時間を決める

振り返りが書けなくなる原因は、書く力ではなく、書き方の設計にあります。自分を責める前に、まず原因を仕組みの側から見直します。

原因1 うまくいかなかったことから書き始めている

うまくいかなかったことから書き始めると、そこで手が止まりやすくなります。先に事実を並べてから、うまくいかなかった部分に触れるほうが、最後まで書き切れます。

原因2 誰かに見せる前提で書いている

誰かに見せる前提で書くと、言葉が本音から離れていきます。一度に何個も自分に問いを立てず、答えやすい問いを1つだけ自分に向けるほうが、素直な言葉が出てきます。「良かったか悪かったか」の二択で自分を詰めないことも、同じくらい大事です。

原因3 期間が長すぎる(1か月を一度に振り返ろうとしている)

1か月分を一度に振り返ろうとすると、情報が多すぎて書き始められません。振り返る単位は、1日か1週間までに絞ります。長い期間を見るのは、短い単位を積み上げたあとで十分です。

原因4 書く時間を決めていない

「時間があるときに書く」にしていると、その時間は来ません。振り返りは、他の予定と同じように、時間を先に決めておくものです。時間の決め方は、後半の「振り返りを続ける仕組みのつくり方」で扱います。

厚生労働省の令和7年度能力開発基本調査(常用労働者30人以上の事業所が対象)でも、能力開発・人材育成に何らかの問題があるとした事業所は80.1%にのぼりました。問題があるとした事業所のうち45.5%が「人材育成を行う時間がない」と回答しています。振り返りが後回しになりやすいのは、個人の甘さだけでなく、時間の余白が組織全体で少ないという背景も関係しています。

感情が動いた場面をどう言葉にするかまで踏み込みたい場合は、大人の自己分析のやり方で、書き方の手順として詳しく扱っています。

振り返りの例文 場面別に6つ

例文の使い方。場面を選ぶ、自分の事実に替える、気づきを添える、次の動作を書く

振り返りの例文を、場面別に6つ用意しました。どれも「事実・気づき・次にやること」の3行です。

1日の終わりに書く(日報・日次)

1日の終わりに書く振り返りは、その日のうちに埋め切ることを前提にした例文です。

  • 事実:午前は資料の作成、午後は問い合わせ対応で1日が終わった。
  • 気づき:問い合わせ対応に思ったより時間を取られ、資料作成が後ろ倒しになった。
  • 次にやること:明日は問い合わせ対応の時間を午前中に固定してから、資料作成に入る。

週の終わりに書く(週報)

週報は、1日単位では見えない流れを拾うための振り返りです。

  • 事実:今週は打ち合わせが多く、まとまった作業時間が取りにくかった。
  • 気づき:打ち合わせの合間の30分では、腰を据えた作業に入れていなかった。
  • 次にやること:来週は打ち合わせを午前に寄せ、午後にまとまった時間をつくる。

商談・打ち合わせのあとに書く

商談や打ち合わせの直後は、記憶が新しいうちに書ける貴重なタイミングです。

  • 事実:先方から出た質問に、その場で数字を出せず持ち帰りになった。
  • 気づき:想定していた質問の範囲が狭かった。
  • 次にやること:次回までに、想定質問と答えを3つ用意しておく。

失敗したあとに書く

失敗のあとほど、事実と評価を分ける3行の型が効きます。

  • 事実:確認を1つ飛ばしたまま、資料を送ってしまった。
  • 気づき:送信前の確認を、いつも同じ手順で行っていなかった。
  • 次にやること:送信前に見る項目を3つだけ決めて、毎回同じ順番で見る。

うまくいったときに書く

うまくいったときも、理由を1行残しておくと再現できる形になります。

  • 事実:初めて任された進行を、最後まで自分の判断で進められた。
  • 気づき:迷った場面で、事前に決めていた優先順位に沿って判断できた。
  • 次にやること:次も同じように、迷いそうな場面を先に洗い出しておく。

1on1のあとに書く

1on1は、自分では気づけない視点をもらえる場面です。

  • 事実:1on1で、自分では気づいていなかった仕事の進め方の癖を指摘された。
  • 気づき:指摘された癖に、自分では良し悪しの判断がついていなかった。
  • 次にやること:次の1on1までに、その癖が出た場面を1つ記録しておく。

1on1のあとの振り返りをシートの形で残したい場合は、1on1の振り返りシートの書き方にテンプレートをまとめています。

例文をそのまま写さない 置き換える場所を1か所だけ決める

上の6つは、そのまま使う文章ではなく型です。自分の状況に合わせて、事実の行だけを置き換えるところから始めます。一度に全部を自分の言葉に変えようとすると、また手が止まります。

仕事終わりは明日へ渡すメモで区切る

仕事終わりの区切り。気がかりを残す、明日の動作を決める、今夜の希望を選ぶ、仕事のメモを閉じる

今日の反省を続けるより、仕事を終えて自分の時間へ戻りたい日もあります。そんな日は、事実・気づき・次の行動をすべて掘り下げず、再開する場所を残したら閉じる使い方にできます。以下は記事で提案する記入例で、気持ちの変化を保証する方法ではありません。

気がかりを明日へ渡すメモを書く

気がかりを一つ選び、次の動作と扱う場面を残します。説明用の架空例では、次のように書けます。

メモの欄 記入例
気がかり 依頼の仕上がりについて確認できていない
次の動作 依頼された条件を見直し、不明点を一つまとめる
扱う場面 明日の勤務開始後に担当者へ確認する

返答待ちなら、合意している確認時点を残せば十分です。相手の意図が気になる場合も「不満だったに違いない」と決めず、「追加で求めていることがあるか確認する」と自分が動ける形にします。翌日に条件が変わっていたら、昨日書いた予定を外しても構いません。

業務の詳細は勤務先で認められた管理先へ残します。個人のメモには、勤務先や顧客の秘密を移さず、「確認を残して終えた」など自分の動作だけを書けます。

今夜の自分の時間を選ぶ

仕事の置き場所を決めたら、今夜どう過ごしたいかを一つ書きます。食事をゆっくりする、家の人と話す、予定を足さずに過ごすことも候補です。家事など既にある予定と、その中で自分が選べる部分を分けてみてください。

たとえば「家事があるけれど、少し静かに過ごしたい」なら、家の人の都合も聞いて話し始める時間を相談する方法があります。浮かばない日は「今夜は決めなくてよい」で終えても大丈夫です。余暇に新しい達成課題を増やすための欄ではありません。

働き方に合わせて区切りを置く

通勤する人なら、次の動作を業務用の管理先へ残して席を立つ。在宅勤務なら、仕事の画面とメモを閉じる。家事やケアが続く人なら、一行を残して次の役割へ移る。自分の1日の流れに沿って、終える動作を一つ選びます。

当番や連絡対応の取り決めがある場合は、その条件を確認してください。終業後の対応が続く原因が業務量や担当の曖昧さにあるなら、気持ちの切り替えだけで引き受けず、勤務中に調整する内容として扱います。ここで紹介したメモは、休職の判断や体調の問題を扱うためのものではありません。

目標の振り返りは 達成率だけを見ない

目標を振り返る視点。前提の変化を見る、詰まった場所を書く、目標を見直す、数字以外の変化を残す

目標の振り返りは、達成率という1つの数字だけで終わらせません。

達成/未達の前に 前提が変わっていないかを見る

目標を立てたときと、振り返るときとで、状況そのものが変わっていることがあります。担当が変わった、優先度が変わった、といった変化は、目標を立てた時点では分かりません。達成率を見る前に、前提が変わっていないかを確認します。前提が変わっていれば、達成率だけで評価するのは公平ではありません。

「できなかった理由」ではなく「詰まった場所」を書く

「できなかった理由」を書こうとすると、言い訳を探す作業になりがちです。代わりに、進めている途中で具体的にどこで手が止まったかという「詰まった場所」を書きます。場所が分かれば、次に対処する場所も決まります。

目標そのものを書き直してよい

振り返った結果、目標自体が今の状況に合わなくなっていることもあります。その場合は、達成できなかったこととして扱うのではなく、目標を書き直してよい対象として扱います。

数字にならない変化を1行残す

達成率という数字には出てこない変化も残っています。以前より短い時間で判断できるようになった、というような変化を、1行だけ書き残しておきます。数字と1行の変化を、両方見ることが目標の振り返りになります。

1on1で目標をすり合わせる場面では、1on1シートのテンプレートと書き方もあわせて使うと、達成率以外の変化も記録に残しやすくなります。

今月の目標を立てるときに 振り返りとセットにする

次の月の目標を選ぶ。先月の記録を読む、目標を3つまでにする、途中で見る日を決める

今月の目標は、先月の振り返りとセットで決めます。

先月の振り返りを読んでから 今月を決める

先月の振り返りを読み返さずに今月の目標を立てると、同じ詰まり方をまた繰り返します。今月の目標を書く前に、先月の振り返りに目を通します。特に「詰まった場所」と「数字にならない変化」の2行は、今月の目標を決める材料になります。

目標は3つまで

目標を増やしすぎると、どれも中途半端な振り返りになります。今月の目標は3つまでに絞ります。3つのうち1つは、先月の振り返りから直接つながる目標にすると、月をまたいだ流れができます。

月の途中で見る日をあらかじめ決めておく

月末になって初めて目標を見返すと、修正する時間が残っていません。月の途中に、一度目標を見返す日をあらかじめカレンダーに決めておきます。見返す日を決めておくだけで、目標を立てっぱなしにする状態を防げます。

感謝日記とは何か 研究で分かっていること

研究の結果を読む視点。対象者を確認する、記入条件を確認する、変化した指標を見る、限界も合わせて読む

感謝日記とは、その日や、その週にありがたいと感じたことを書き留める記録です。振り返りが改善に向いているのに対し、感謝日記は気づきに向いています。どのくらいの根拠があるのかを、原典まで戻って確認しました。

元の研究は対象の異なる3つの実験だった

感謝日記の研究として、よく引用されるのがEmmonsとMcCulloughが2003年に発表した実験です。Journal of Personality and Social Psychologyに掲載された論文は、1つの実験ではなく、対象も期間も違う3つの実験で構成されています。研究1は米国の大学の健康心理学の受講生192名、研究2は同じく学部生157名、研究3は神経筋疾患のある成人65名を対象にしています。

研究1と研究2の対象者は、授業の課題として参加した学部生です。日本の働く人にそのまま当てはめられる結果ではありません。

週1回と毎日で 条件が違う

3つの実験は、記入の頻度もそろっていません。研究1は週1回、この1週間でありがたいと感じたことを最大5つ書く形式で、最初の1週分を除いた9週分が分析されています。研究2は毎日の記入で、13日分が分析対象です。研究3は神経筋疾患のある成人を対象に、21日間毎日記入しています。慢性的な症状を抱える対象者にまで広げて確かめている点が、この研究3の特徴です。

「幸福度が25%上がる」は原典に書かれていない

感謝日記を紹介する記事でよく見かける「幸福度が25%上がる」という数字は、この原典のどこにも書かれていません。原典が書いているのは、感謝日記を書いたグループが、3つの実験を通じていくつかの、しかしすべてではない指標で幸福感が高まったということまでです。そのなかでも、もっとも安定して効果が見られたのはポジティブな感情への影響でした。

原典は「再現できなかった」とも書いている

原典には、研究1で見られた効果の一部が研究2では再現できなかったため、研究3を追加で行ったという記述があります。効果があった、で終わらせず、再現できなかった部分もそのまま書かれています。研究として誠実な記録だからこそ、この記事でもそのまま紹介します。

日本の働く人を対象にしたRCTがある

BMC Psychologyに掲載された試験では、日本の会社員100名を対象に、12日間の感謝日記が試されています。全評価を完了した67名を分析した結果、感謝日記群のワーク・エンゲイジメント(UWES-9で測定)は、介入前後で有意に上昇しました。下位尺度では、仕事への没頭を示す項目が特に上昇しています。対象は31〜48歳の会社員で、業種は営業・コンサルティング・IT・製造・物流・金融です。

日本の大学生を対象にしたRCTもある

BMC Psychologyに掲載された別の試験では、日本の大学生・大学院生84名を無作為に割り付け、遵守基準を満たした40名を対象に、2週間の感謝日記が試されています。分析対象40名のうち、感謝日記群でのみ学習の動機づけを示す指標が有意に上昇しました。中身は、やる気が出ない状態を示す「無動機」の低下によるものです。3か月後の追跡調査でも、効果が薄れる様子は見られませんでした。

感謝日記の書き方 3つだけ書く

感謝日記の書き方。小さな出来事を選ぶ、1〜3つ書き残す、書けない日は休む

感謝日記は、ありがたかったことを、少なくとも1つ書くだけで成立します。振り返りと同じく、長さよりも続けやすさを優先します。

「ありがたかったこと」を1〜3つ書く

日本の会社員を対象にした試験では、「今日ありがたいと感じたことを、少なくとも1つ(できれば3つほど)」書くという指示が使われています。書ける数が1つでも、感謝日記としては十分です。

大きな出来事でなくてよい

感謝日記は、大きな出来事のためだけに書くものではありません。小さな出来事のほうが、日々書き続けやすくなります。

人の名前が出てくると 書きやすくなる

日本の会社員を対象にした試験で書かれた感謝日記を見ると、「ありがとう」という言葉とともに、「同僚」という言葉が多く出てきていました。誰かとのやり取りを思い出すところから書き始めると、言葉が出やすくなります。

感謝を義務にしない

感謝日記は、感謝しなければならないという義務ではありません。書けない日があっても、それは問題ではありません。つらい状況にあるときに、無理に感謝を探す必要はありません。

振り返りと感謝日記の違いを整理する

目的に合わせて選ぶ。次の動作を考える、ありがたさを振り返る、その日の感覚で選ぶ

振り返りと感謝日記は、似ているようで、見ている向きが違います。

見ている向きが違う(改善/気づき)

振り返りは、次にどう動くかという改善に向いています。感謝日記は、すでにあったことのなかから、ありがたかったことに気づく方向に向いています。どちらが優れているという話ではなく、向いている方向が違うだけです。

疲れているときは 感謝日記のほうが書きやすい

疲れているときに、改善点を探す作業が負担になることもあります。ありがたかった出来事を書きたい日には感謝日記を選び、どちらも書きたくない日は休む、という使い分けができます。感謝を探すほうが楽かどうかも、その日の本人の感覚を大切にしてください。

両方を毎日やらなくてよい

振り返りと感謝日記を、両方とも毎日書く必要はありません。その日の状態に合わせて、どちらか1つを選ぶだけでも続けられます。迷う日は、今の自分が書きたい内容がある方を選びます。

振り返りを続ける仕組みのつくり方

振り返りを続ける準備。書く場所を決める、書く時間を決める、問いを用意する、翌日から再開する

振り返りを続ける仕組みは、書く場所・時間・問いの3点で決まります。やる気の問題として片づけず、この3点を先に整えます。

書く場所を1つに決める

書く場所が複数に分かれていると、どこに何を書いたか分からなくなります。振り返りを書く場所は、1つに決めます。

時間を固定する(何時に書くかを先に決める)

書く時間を「空いたときに」にしていると、その時間は来ません。何時に書くかを先に決めて、他の予定と同じ扱いにします。

問いが用意されていると 書き出しで止まらない

何を書けばいいか分からない状態は、白紙の前で止まる一番の原因です。問いが先に用意されていると、その問いに答える形で書き始められます。

問いがあると書きやすい方は、自分と話すノートに今日の出来事や気づきを残す使い方もできます。何を大事にしたいかを先に整理するなら、価値観の見つけ方も材料になります。感謝日記の研究結果が、そのままアプリの効果を示すわけではありません。

続かなかった日を 記録の失敗にしない

書けなかった日があっても、そこで振り返りをやめる必要はありません。続かなかった日は、記録の欠けとしてではなく、翌日また始める前提として扱います。「連続何日」という数字を目的にすると、途切れた瞬間にやめたくなります。数字ではなく、今日も書けるかどうかだけを見ます。

上司として 部下の振り返りをどう扱うか

部下の記録を扱うとき。提出用と自分用を分ける、読んだことを返す、共有する範囲を決める

上司として部下の振り返りを扱うときは、まず読み方を決めておきます。

提出させると 書く中身が変わる

振り返りを上司に提出させる形にすると、部下が書く中身は、評価を意識したものに変わります。失敗や詰まった場所を正直に書くほど不利になると感じれば、当たり障りのない言葉を選ぶようになります。本音に近い振り返りを引き出したいなら、提出とは別に、自分だけのための振り返りを書く時間を確保することが必要です。

読んだ証拠を返す(評価をしない)

部下の振り返りを読んだら、評価ではなく、読んだという証拠を返します。「見てもらえている」という感覚が、次の振り返りを書く動機になります。1on1で使える質問例50選は、評価にならない聞き方を選ぶときの参考になります。

本人の記録は本人のもの という線を先に引く

ノートや対話の記録は、極めて個人的な情報です。弊社のアプリでは、本人の記録は本人だけのものとして扱い、上司や管理者が見られない設計にしています。見られるかもしれないという不安があると、本音は記録に残らなくなります。この線を先に引いておくことが、部下が正直に書き続けられるかどうかを分けます。

振り返りの書き方についてよくある質問

自分に合う記録の形。使いやすい道具を選ぶ、短い記録でも残す、過去を埋め直さない

Q. 振り返りは手書きとアプリのどちらがよいですか

どちらでも成立します。続けやすいほうを選ぶのが基準になります。問いに答える形で書きたい場合は、アプリのほうが書き出しやすいことがあります。手を動かして書くこと自体に落ち着きを感じる方は、手書きのほうが向いています。

Q. どのくらいの長さで書けばよいですか

長さは決まっていません。事実・気づき・次にやることの3行があれば、それで振り返りとして成立します。無理に長く書こうとすると、続けること自体が負担になります。

Q. 書くことが思いつかない日はどうすればよいですか

思いつかないときは、期間を短くします。1日全部ではなく、直前の1つの場面だけを思い出して、3行を埋めます。それでも思いつかない日は、感謝日記に切り替えるという選択肢もあります。何も思いつかないこと自体を、そのまま1行書いてもかまいません。

Q. 振り返りをためてしまったときは さかのぼって書くべきですか

さかのぼって完璧に書き直す必要はありません。ためてしまった日は空欄のままにして、今日の3行から再開します。空欄が続いた期間を責める必要もありません。再開できた今日を、次の振り返りの起点にします。

今日の記録を置く場所には「自分と話すノート」も使えます。詳しい仕事の情報は勤務先の管理先に置き、ここでは自分の気づきや希望を短い言葉で残してください。

自分と話すノートを無料で始める

今日の3行から始める(まとめ)

今日の目的で選ぶ。3行で振り返る、明日へ渡して終える、書かずに休む

振り返りは、事実・気づき・次にやることの3行があれば形になります。場面別の例文も、目標の振り返り方も、感謝日記も、すべてこの型の応用です。完璧な文章を書こうとせず、今日の3行から始めることが、続ける一番の近道になります。

書けなくなる原因は、性格でも文章力でもなく、書き方の設計にありました。期間を短くし、時間を決め、問いを先に用意しておく。この3つを整えるだけで、振り返りは特別な作業ではなく、毎日の小さな習慣に変わっていきます。

改善を考えたい日は3行で、今日の仕事を終えたい日は明日へ渡すメモで。その日の目的に合う書き方を一つ選び、書き終える場所まで決めてみてください。


この記事を書いた人:鶴田 洋(つるた ひろし)|Gallup認定ストレングスコーチ

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