1on1の事前準備リスト|上司がやるべき準備とNG

この記事の監修・執筆:鶴田 洋(株式会社Rin 代表)
ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ(2025年取得・Gallup公式プロフィール)。東証プライム企業で管理職・マネジメントを経験し、営業実績で全店1位を複数回達成。これまでに500回以上のコーチングセッションを実施しています。

1on1の質は、始まる前に9割決まっています。「とりあえず15分話す」では部下の本音は引き出せません。

上司がどれだけ丁寧に1on1 準備をしているかが、対話の深さと信頼関係の構築に直結します。本記事では、1on1前に上司がやるべき準備のチェックリストと、やりがちなNGパターンをまとめます。

目次
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なぜ1on1の事前準備が必要なのか

1on1は「部下のための時間」です。上司が聞きたいことを一方的に話す場ではなく、部下の思考・感情・課題を安全に表現できる場を提供するのが目的です。

事前準備なしで臨むと、以下のような問題が起きやすくなります。

  • 上司からの業務報告ヒアリングで終わってしまう
  • 前回と同じ話の繰り返しになる
  • 部下が「何を話せばいいかわからない」と感じる
  • 時間が来たら終了し、フォローが生まれない

逆に準備が整った1on1は、部下の離職意向の早期察知や、強みを活かしたアサインの発見にもつながります。

Gallup社の調査では、上司との対話の質がチームエンゲージメントのばらつきの70%を左右するとされています。日々のわずかな対話の積み重ねが、離職の兆しに早く気づく力になります(若手の離職を防ぐにはもあわせてご覧ください)。

上司がやるべき事前準備チェックリスト

1. 前回の記録を振り返る

前回の1on1で出たアクション・悩み・話題を必ず確認します。「先週言っていた件、どうなった?」と聞けるだけで、部下は「ちゃんと覚えていてくれた」と感じます。記録がない場合は、ノートやツールで記録習慣を始めましょう。

記録の型に迷う場合は、1on1シートのテンプレートを使うと、毎回の記録を短時間で残せます。

2. 部下の最近の状態を観察しておく

Slackの発言量、表情、業務の進捗、チームとの関わり方など、日常の観察をもとに「最近どうかな?」という仮説を持っておきます。「なんとなく元気がなさそう」という気づきを持って臨むだけで、質問の深さが変わります。

3. アジェンダを事前に共有する(または聞く)

「今日話したいことはある?」と事前にSlackやメールで聞いておくと、部下も心の準備ができます。上司側のアジェンダがある場合も、「今日は〇〇について少し話したい」と伝えると心理的安全が高まります。

4. 聞きたい問いを1〜2個用意する

「最近、仕事で一番手応えを感じたのはどんな場面?」「今のチームで、自分の強みが活かせていると思う?」など、部下の内省を促す問いを1〜2個準備しておきます。詰問型ではなく、オープンな問いを意識します。

問いのバリエーションを増やしたい場合は、1on1で使える質問50選も参考にしてください。

5. 環境を整える

雑音のない場所・カメラON・スマホをしまう。物理的な環境は「あなたの話を聞く準備ができている」というメッセージになります。リモートであれば背景や照明も整えると誠意が伝わります。

やりがちなNG準備パターン

  • 「その場で考えればいい」と準備ゼロで臨む:部下は準備不足をすぐに感じ取ります
  • 評価フィードバックだけを議題にする:査定の話ばかりでは本音が出ません
  • 進捗確認だけで終わらせる:それは1on1ではなく進捗報告です
  • 上司が話しすぎる:1on1の理想的な発言比は上司3:部下7です

実際、パーソル総合研究所の調査では、1on1を経験した人の3人に1人が「効果を感じられない」と回答しています。裏を返せば、事前準備の有無が「意味のある1on1」と「ただの時間」を分ける分水嶺になっているということです。評価の話に偏りやすい方は、フィードバックのコツもあわせて確認しておくと、評価と対話のバランスを取りやすくなります。

1on1をさらに深める仕組みとして

準備と記録を習慣化するには、仕組みが必要です。Rin AIコーチ(法人向け)では、毎日のジャーナル機能を通じて部下自身が自分の状態を言語化し、上司はその蓄積を1on1前に確認できます。感情・強み・悩みが可視化されるため、「今日何を聞くか」が自然に見えてくる環境が整います。

また、個人で1on1スキルを高めたいマネージャーには個人向けAIコーチプランもご利用いただけます。自分自身の振り返りと対話力の向上を並行して進められます。

まとめ:準備こそが1on1の主戦場

1on1は対話の場ですが、その質は準備で決まります。前回の記録・部下の観察・問いの設計・環境整備——この4つが揃うだけで、1on1の密度は大きく変わります。まずは次回の1on1の前日に、5分だけ準備の時間をとることから始めてみてください。

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