もし商談のあと、お礼メールの文面をどう書けばいいか毎回迷っているなら、この先が役に立つかもしれません。
お礼に加えて何を書けばよいのか、6つの要素と場面別の例文5本で整理します。送る時期は、商談で約束した期日と相手の検討予定から考えます。例文は架空の文面なので、実際に合意した内容へ置き換えてください。

商談のお礼メールは何のために送るのか

商談のお礼メールは、お礼を伝えるためではなく、決まったことを記録として残すために送ります。
お礼を伝えるためではなく決まったことを残すため
お礼メールという名前がついていますが、目的の中心はお礼そのものではありません。
商談で決まったこと・決まらなかったことを、文字として残すことが本来の役割です。
口頭だけで終わらせると、時間がたつほど、双方の記憶にずれが生まれます。
商談の目的と相手との約束を振り返ると、お礼に加えて必要な確認事項が見えてきます。
送らないと相手の社内で話が再現できない
お礼メールを送らないと、その日の商談の内容は、相手の記憶だけに残ります。
相手が社内で説明しようとしたとき、記憶だけでは細部が抜け落ちてしまいます。
文字にしておけば、相手はメールを読み返すだけで、同じ説明を何度でも再現できます。
「お礼」という件名にすると読まれない理由
件名を「お礼」だけにすると、相手はメールの中身を推測できません。
社内で転送されるときも、「お礼」という件名だけでは何の件か伝わらず、後回しにされやすくなります。
送る相手はその場にいた人だけではない
お礼メールを送る相手は、商談に同席していた人だけとは限りません。
その場にいなかった決め手役の人に転送されることを前提に書いておくと、内容が伝わりやすくなります。
商談後のお礼メールに入れる6つの要素

商談後のお礼メールには、6つの要素を順に入れます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 要素1 | 何の件かが件名で分かる |
| 要素2 | 話した内容の要約(3行まで) |
| 要素3 | 決まったこと |
| 要素4 | 決まっていないこと |
| 要素5 | 次の期日と、次に動く人 |
| 要素6 | 資料の案内 |
要素1 何の件かが件名で分かる
件名には、会社名と用件を入れます。
「本日はありがとうございました」だけでなく、何の商談だったかが件名だけで分かる形にします。
社内で検索されたときにも見つかるよう、案件名を入れておくと親切です。
要素2 話した内容の要約(3行まで)
冒頭で、話した内容を3行までで要約します。
長い前置きから始めると、その先を読んでもらえません。
要約だけを読めば、内容が分かる状態を目指します。
要素3 決まったこと
商談で決まったことを、箇条書きで書きます。
決まったことと、これから決めることを分けて書くと、相手も読みやすくなります。
要素4 決まっていないこと
決まっていないことも、あえて書き残します。
決まっていないことを曖昧にしたまま次回に進むと、あとで認識のずれが起きます。
要素5 次の期日と次に動く人
次に何をいつまでにやるか、誰が動くかを明記します。
「また連絡します」で終えず、期日と担当を具体的に書きます。
決裁の場面に関わる要素は、決裁者とはでも扱っています。
要素6 資料の案内
資料の名前と、見てほしい箇所を案内します。渡し方は相手の社内ルールや利用環境に合わせ、URLなら権限、添付なら形式と容量を確認します。
添付とURLの違いは、あとの章でくわしく扱います。
商談 お礼メールの例文5本

商談のお礼メールの例文を、場面ごとに5本紹介します。
すべて社名・氏名・金額を伏せ字にしています。
例文1 初回商談のあと
件名:本日の打ち合わせ(〇〇の件)のお礼
株式会社◯◯ ◯◯様
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
現状の課題と、来期までに整えたい状態について伺いました。
次回は◯月◯日に、こちらから提案の骨子をお送りする形で進めます。
ご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
例文2 見積もりを出したあと
件名:お見積りのご送付(〇〇の件)
株式会社◯◯ ◯◯様
本日は貴重なお話をありがとうございました。
ご相談いただいた内容をもとに、お見積り(金額)をURLにてお送りします。
内容についてご不明な点があれば、いつでもご連絡ください。
社内でのご検討がしやすいよう、要点を1枚にまとめております。
例文3 相手の社内で検討に入ったとき
件名:社内検討にあたっての資料共有(〇〇の件)
株式会社◯◯ ◯◯様
本日はありがとうございました。
社内でご検討いただく際に使える資料のURLをお送りします。
社内共有に必要な資料がありましたら、お知らせください。
ご検討の過程で出てきたご質問は、本メールへの返信でお送りいただけます。
例文4 その場では決まらなかったとき
件名:本日のお打ち合わせのお礼(〇〇の件)
株式会社◯◯ ◯◯様
本日はありがとうございました。
本日決まったことと、引き続きご確認いただきたい点を整理してお送りします。
◯月◯日までに、再度お時間をいただけますと幸いです。
その間にご質問が出てきましたら、遠慮なくご連絡ください。
例文5 断られたあと
件名:本日はありがとうございました(〇〇の件)
株式会社◯◯ ◯◯様
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
今回は見送りとのこと、承知いたしました。
貴重なお時間をいただき、あらためて御礼申し上げます。
状況が変わりましたら、いつでもご連絡いただけますと幸いです。
商談のお礼メールを送るタイミング

商談の最後に、次の資料や返答をいつ届けるかを相手と合わせておきます。
送る順番は、約束した期限と相手が検討に使う予定を基準にします。
一律に何時間以内なら正解と決めるより、その商談の次の動きに合わせます。
内容がそろうまで連絡を止めない
依頼された資料の確認に時間が必要なら、お礼と送付予定を先に伝える方法があります。
未確定の金額や納期を確定したように書かず、確認している項目と返答予定を分けます。
約束した期限に間に合わないと分かった場合は、期限を過ぎる前に連絡します。
相手の検討日に間に合う形を選ぶ
社内会議や上司への説明に使う資料であれば、その予定を確認します。
資料全体の完成を待つと間に合わない場合は、必要な箇所を先に共有できるか相談します。
送信時刻だけでなく、受け取った相手が何に使えるかまで考えて文面を整えます。
商談のお礼メールでやってはいけない5つ

商談のお礼メールで、やってはいけないことが5つあります。
長い前置きから始める
季節の挨拶や長い前置きから始めると、要素2の要約にたどり着く前に読まれなくなります。
前置きは1〜2行にとどめ、要約から先に読める順番にします。
決まっていないことを決まったように書く
決まっていないことを、決まったかのように書くと、あとで認識のずれが表面化します。
要素3と要素4は、はっきり分けて書きます。
開けるか確認せず資料を送る
開けるか確認せず資料を送ると、社内で転送されたときに開かれないことがあります。
休眠顧客への掘り起こしメールでも同じ問題が起きやすく、休眠顧客の掘り起こしメール例文でも近い論点を扱っています。
次の日程を相手に丸投げする
「ご都合のよい日をお知らせください」だけで終えると、返信が来ないまま止まることがあります。
候補日をこちらから示したうえで、選んでもらう形にします。
こちらから動くほうが、相手の手間が減り、返信も早くなります。
送信先を間違える(BCCとCCの取り違え)
複数の宛先に送るとき、BCCとCCを取り違えると、意図しない相手にアドレスが見えてしまいます。
送信前に、宛先欄を必ず見直します。
お礼と継続的な宣伝の送信を分ける

商談で約束した内容の連絡と、その後の継続的な広告配信は分けて管理します。
「お礼」という件名だけで送信の可否を決めず、実際の内容、連絡先を受け取った経緯、相手の希望を確認します。
広告宣伝メールの制度は消費者庁の特定電子メール法の案内で確認できます。
連絡を控えてほしいと伝えられた場合は、担当者だけでなく共有の送信先管理にも反映します。
別の担当者から同じ案内を重ねないために、停止の対象と相手の希望を記録します。
判断に迷う配信は、社内の管理担当者に内容と経緯を示して確認します。
商談のお礼メールに資料の案内を添える

資料を添えるときは、何の資料か、どこを確認してほしいかを書きます。
URLと添付ファイルのどちらを使うかは、相手の受け取り方や社内の共有ルールに合わせて選びます。
共有前に相手が開けるかを確認する
URLなら閲覧権限や有効期限を確認し、添付なら容量や形式を確かめます。
社内の別の人にも共有する予定がある場合は、その範囲で閲覧できる設定かも確認します。
共有の考え方は、営業資料をURLで共有する方法で詳しく扱っています。
閲覧記録から決めつけない
閲覧状況を記録できるかは、利用するサービスと設定によって異なります。
URLを送るだけで、誰が見たかを必ず特定できるわけではありません。
閲覧があっても理解や購入意思まで分かるとは限らないため、商談で確認した内容と分けて扱います。
質問の入口を一つ示す
資料を見て分からなかった点を、どこに返せばよいか案内します。
株式会社Rinのきける資料も、資料について質問できる形を検討するときの選択肢です。
機能や現在の提供条件を確認したうえで、相手が使いやすい方法を選びます。
送信前に文面を直すための具体例

ここでは架空の説明用の文面を使い、曖昧なメールを次の動きが分かる形に整えます。
例文の会社名や期日は、自分の商談で確認した内容に置き換えてください。
決まっていない内容を確定事項にしない
修正前の例は「来月導入いただけるとのことで、準備を進めます」です。
相手が話したのが「来月を目安に社内で検討したい」だったなら、導入はまだ決まっていません。
この場合は「来月のご判断に向けて社内で検討されると伺いました。比較用の資料を添えます」と、確認できた内容に戻します。
本文を見直すときは、相手が言ったことと、自分が期待したことを分けます。
金額、対象範囲、導入時期、次の面談は、特に確認が必要な項目です。
判断が付かない点は「確認したい事項」として別に置きます。
相手にお願いすることを一つに絞る
「資料の確認、社内共有、候補日の返信をお願いします」と並べると、最初に何を返すべきか迷わせる場合があります。
次の段階に必要なものを一つ選び、ほかは補足として分けます。
たとえば「まず、比較表で不足している項目があればお知らせください」と書けば、返答してほしい内容が具体的です。
返信を必須にしなくてよい場面もあります。
記録の共有だけなら、その旨を伝え、訂正がある場合の連絡先を残す方法が使えます。
必要以上に相手の作業を増やさない文面にします。
送った後に何を記録するか
送信日、送付した資料の版、確認待ちの内容、次の連絡予定を残します。
自分の返答待ちと、相手の検討待ちを同じ状態にしないことが大切です。
返事が届いたら、次に動く人と期日を更新します。
相手の返信がない場合も、決めていた期日や連絡方針を確認してから動きます。
毎日同じ依頼を送り直すより、資料の不足がないか、相手の検討予定を聞けていたかを見直します。
自分で決めた追いかけ回数を、相手にも合意された約束のように扱わないようにします。
件名と資料の版も合わせる
返信の流れで送る場合は、相手が前の会話を追える件名を残します。
話題が変わるときは、何の確認かが分かる件名にします。
資料名には内容を識別できる名前を付け、古い価格表や社内用の注記が残っていないかを確認します。
添付やリンクを入れた後は、本文に書いた資料名と実際に渡すものが一致するかを見直します。
外部に見せてよい範囲、閲覧権限、連絡先の誤りもこの時点で確認できます。
複数の版があるときは、相手にどれを使ってほしいかを一言添えます。
商談のお礼メールで次の一歩を決める(まとめ)

商談のお礼メールは、お礼そのものより、次の一歩を決めるための道具として書きます。
今日の商談のお礼メールに1行だけ足す
次に送るお礼メールに、決まったこと・決まっていないこと・次の期日の3つが入っているかを、1行だけ見直してみてください。
それだけで、相手の社内での話の再現しやすさが変わります。
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