「うちの離職率は高いのか、低いのか」「そもそもどう計算するのか」——人事や経営の現場でよく出る疑問です。本記事では離職率の定義と計算方法、業界平均の目安、そして高いときの原因と改善の考え方を、実務で使える形で整理します。

離職率とは

離職率とは、ある期間内にどれだけの従業員が組織を離れたかを示す割合のことです。一般に1年間を区切りとして計算し、組織の定着度や働きやすさを測る基本指標として使われます。逆に「どれだけ定着しているか」を示す定着率は、100%から離職率を引いた値になります。
離職率の計算方法

もっとも基本的な計算式は次のとおりです。
- 離職率(%)= 一定期間の離職者数 ÷ 起算日の在籍者数 × 100
たとえば、期初に100人が在籍していて、1年間で8人が辞めた場合、離職率は8÷100×100=8%です。なお、厚生労働省の統計などでは「1月1日時点の常用労働者数」を分母にするなど定義が決まっています。社内で比較するときは、分母と対象期間の取り方をそろえることが大切です。新卒・中途、正社員・パートなどを分けて見ると、より実態が掴めます。
新卒3年離職率という見方
採用領域でよく語られるのが「新卒入社後3年以内の離職率」です。厚生労働省の調査では、令和4年3月に卒業した新規大学卒就職者の3年以内離職率は33.8%(新規高卒就職者は37.9%)でした(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。若手の定着を測る代表的な指標になっています。
離職率の業界平均の目安

離職率は業界によって大きく異なります。厚生労働省「令和6年雇用動向調査」の実数は次のとおりです。
- 全産業計の離職率は14.2%(令和6年/2024年。前年の令和5年は15.4%)
- 高いのは「サービス業(他に分類されないもの)」19.0%、「宿泊業,飲食サービス業」18.1%、「生活関連サービス業,娯楽業」16.9%(いずれも一般労働者)
- 低いのは「複合サービス事業」7.0%、「金融業,保険業」7.4%、「電気・ガス・熱供給・水道業」7.8%、「製造業」8.8%(いずれも一般労働者)
- パートタイム労働者は全産業計で21.4%と、一般労働者の11.5%より高くなります
重要なのは「他社と比べて高いか」よりも、自社の過去と比べて上がっているか、そして辞めてほしくない人材が辞めていないかです。数字の高低だけでなく、誰が・なぜ辞めたのかを見ることが本質です。
離職率が高いときの原因

離職率が高まる背景には、給与や待遇よりも“関わりの問題”が隠れていることが多くあります。
- 成長実感の不足:学びや手応えが感じられない
- 評価・承認の不足:正当に見てもらえていないと感じる
- 上司との関係:相談しづらい、否定されると感じる
- 役割のミスマッチ:強みが活きない仕事に置かれている
- キャリアの不透明さ:この先が描けない
離職率を下げる改善の考え方

離職率の改善は、制度を一気に変えることではなく、日々の関わりの質を上げることから始まります。
- 1on1を続ける:頻度より継続。短くても定期的に対話する
- 強みを活かす配置:その人の強みが発揮できる役割へ
- 具体的な承認:結果だけでなくプロセスや強みを言葉にする
- 予兆を早く拾う:口数の減少や提案の減少などのサインに気づく
- オンボーディングを手厚く:入社後3か月の関わりを重視する
社員が日々感じるのは「自分は大切にされているか」という実感です。これは制度ではなく、毎日の小さな関わりから生まれます。
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