
「価値観が違う気がするけれど、何をどう話せばいいのか分からない」。
結婚を控えている2人にも、結婚して数年たった2人にも、同じ悩みをよく聞きます。
もし今、そういう漠然とした不安を抱えているなら、最後まで読んでいただく価値があると思います。
この記事には、8つの場面に分けたチェックリスト40問と、紙1枚で使えるすり合わせシート、そして5つのステップの進め方を用意しました。
あわせて、「離婚理由の1位は価値観の違い」というよく見る言い回しが、実は公的な統計のどこにも存在しないことも、出典つきで説明します。
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価値観のすり合わせとは 2人の「決め方」を先に決めておくこと
価値観のすり合わせとは、意見が割れたときの決め方を、もめる前に2人で持っておくことです。
すり合わせは、同じ価値観になることではない
すり合わせのゴールは、2人が同じ考え方になることではありません。
考え方はそのままでいいのです。
必要なのは、考え方が違ったときにどう決めるかという手順のほうです。
揃えるのは価値観ではなく、ずれる場面の約束
揃えるべきものは、価値観そのものではなく、ずれが出た場面での約束です。
お金の使い方の感覚が違っても、「いくら以上の買い物は事前に話す」という約束さえあれば、感覚の違いは問題になりません。
約束は場面ごとに1つずつ決めれば十分です。
説得で相手の価値観は動かない
相手を説得して価値観そのものを変えようとすると、たいてい話し合いは止まります。
人の価値観は、これまでの経験の積み重ねでできているため、正論をぶつけても簡単には動きません。
動かせるのは、価値観ではなく、場面ごとのルールのほうです。
だから「先に」やる。もめてからでは道具にならない
すり合わせは、もめてから始めるものではありません。
感情が高ぶった状態で価値観の違いを話し合うと、どちらかが折れる形で終わりやすく、次に同じ場面が来たときにまた同じ衝突が起きます。
だからこの記事のチェックリストとシートは、もめる前の穏やかな時間に使ってください。
価値観のすり合わせが必要になる理由は、公的な統計に表れている
家庭裁判所に持ち込まれる夫婦の申立てを見ると、すり合わせが必要になる理由がはっきり見えてきます。

家庭裁判所への申立ての動機、夫も妻も1位は「性格が合わない」
婚姻関係事件の申立ての動機で、夫も妻も1位は「性格が合わない」でした。
夫は15,355人のうち9,004件・58.6%、妻は42,136人のうち15,646件・37.1%が挙げています(出典=令和7年司法統計年報 第19表)。
夫と妻では母数がまったく違うため、この2つの数字は足し算せず、それぞれ別に読む必要があります。
この調査は、申立人が挙げた動機を主なものから3個まで挙げてもらう方式で集計されています。
そのため、同じ人が複数の項目に挙げているケースがあり、割合をすべて足しても100%にはなりません。
ただし夫と妻で、2位以下がまったく違う
1位こそ同じですが、2位以下は夫と妻で大きく違います。
夫の2位は「精神的に虐待する」3,320件・21.6%、3位は「異性関係」1,823件・11.9%です。
妻の2位は「生活費を渡さない」12,137件・28.8%、3位は「精神的に虐待する」10,995件・26.1%、4位は「暴力を振るう」7,025件・16.7%でした。
暴力や虐待が関わっている場合、この記事で扱っているすり合わせの話では対応できません。
命や安全に関わる不安があるときは、DV相談+(プラス)や、お住まいの都道府県の配偶者暴力相談支援センターに相談してください。
緊急のときは110番です。
申立ての47%が、同居10年未満で起きている
申立て時点の婚姻期間を見ると、10年未満が26,999件・47.0%を占めています(同年報 第20表)。
5年未満に限っても15,125件・26.3%あり、決して「長く一緒にいたから」起きる話ではありません。
早い段階で決め方を持っておくことに、意味があるとわかります。
公的な統計には「価値観の違い」という項目がそもそも無い
ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。
司法統計の動機の区分は、性格が合わない・異性関係・暴力を振るう・酒を飲み過ぎる・性的不調和・浪費する・病気・精神的に虐待する・家庭を捨てて省みない・家族親族と折り合いが悪い・同居に応じない・生活費を渡さない・その他・不詳の全14区分です。
この14区分のどこにも「価値観の違い」という選択肢はありません。
報告書の全91ページを確認しても、「価値観」という言葉自体が1回も出てきませんでした。
「離婚原因の1位は価値観の違い」という数字は、どこにも無い
「離婚理由の1位は価値観の違い」という言い回しをよく見かけますが、その一次情報はどこにも存在しません。
司法統計の動機の区分に「価値観の違い」は存在しない
前の章で見たとおり、申立ての動機は全14区分で、そこに「価値観の違い」という項目自体がありません。
存在しない選択肢に「1位」も「◯%」もつけられないのです。
あの表は「離婚原因」ではなく「申立ての動機」
もう1つ見落とされがちな点があります。
婚姻関係事件のうち、離婚を求めたものは35,137件・61.1%で、残りの35.5%は生活費についての「婚姻費用分担」の申立て、1,837件は「円満調整」というやり直しのための申立てです。
つまりこの表は「離婚した理由」ではなく「家庭裁判所に持ち込まれた申立ての動機」であり、その中には離婚を求めていない申立ても含まれています。
数えているのは離婚した人ではなく、調停を申し立てた人
さらに、この統計が数えているのは家庭裁判所に調停を申し立てた57,491人だけです。
日本の離婚の大半は裁判所を通さない協議離婚であるのに対し、令和6年の離婚は185,904組ありました。
つまりこの統計は「離婚した人のうち」ではなく、「家庭裁判所に調停を申し立てた人のうち」としてしか読めません。
「3組に1組が離婚」も、同じ集団を追った数字ではない
「3組に1組が離婚する」という言い回しも、よく見かける表現です。
これは人口動態統計の確定数にある令和6年の離婚185,904組を、同じ年の婚姻485,092組で割った数字だと考えられます。
しかし、今年結婚した485,092組と、何年も前に結婚して今年離婚した185,904組は、まったく別の集団です。
同じ夫婦を長期間追いかけた調査ではないため、「3組に1組」という表現は成り立ちません。
言葉が無いから、自分たちで言葉にするしかない
公的な統計に「価値観の違い」という言葉がないということは、逆にいえば、それぞれの夫婦が自分たちの言葉で言語化するしかないということです。
だからこそ、次の章から2人で使えるチェックリストとシートを用意しました。
結婚の価値観は、8つの場面に分けると話しやすい
「価値観」という言葉のまま話そうとすると抽象的になりすぎるので、8つの具体的な場面に分けて考えます。

お金の使い方と貯め方
使うお金と貯めるお金の配分は、育った家庭の習慣が強く出やすい場面です。
二択12問でわかるお金の価値観診断を使うと、2人の感覚の違いを対比表で見比べられます。
仕事とキャリアの優先順位
仕事にどれだけ比重を置くかは、転職や転勤の場面で急に表面化します。
普段から少しずつ話しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
家事と育児の分担
家事育児は「誰が何をやるか」だけでなく、「やり方」の違いも衝突の原因になります。
分担表を作る前に、まずどちらの感覚を優先するかを決めておくと話が早いです。
親・親族との距離
実家との距離感は、育った家庭によって当たり前の基準が違います。
どちらかの当たり前を押しつけないよう、先に言葉にしておく価値があります。
住む場所と暮らしの形
賃貸か持ち家か、どんな地域に住みたいかは、長期的な計画に直結します。
一度決めても、状況が変わればまた話し合えばいい、くらいの軽さで始めるのがおすすめです。
一人の時間と2人の時間
一人の時間がどれくらい必要かは、性格によって大きく差が出ます。
ここは正解がある話ではなく、2人にとってちょうどいい距離を探す場面です。
健康・生活のリズム
起きる時間、食事の時間、体調管理への意識は、毎日の生活の土台になります。
小さな違いに見えて、積み重なると負担感の差になりやすいところです。
これからの計画と、変わったときの決め直し方
将来の計画は、立てて終わりではありません。
状況が変わったときに、どうやって計画を決め直すかまで含めて話しておくと安心です。
結婚 価値観 チェックリスト【そのまま使える40問】
ここから、8つの場面をもとにした40の質問を用意しました。

使い方は「同じ質問に、別々に答えて、あとで見比べる」
40問すべてに、2人がそれぞれ別々に、相手の答えを見ずに答えてください。
答え終えてから見比べることで、「言われてみればそうだった」という気づきが生まれやすくなります。
恋愛の価値観がわかる二択50問とカップルの質問リストは結婚前の関係を広く扱っていますが、こちらは結婚後の生活を前提にした設問です。
お金(8問)
- 毎月の収入と支出を、2人で共有していますか
- 貯金は誰の口座で、どんなペースで進めていますか
- 大きな買い物をするときの金額の目安を決めていますか
- お小遣い制にするか、共有の財布にするか決めていますか
- 将来のためにいくら備えておきたいと考えていますか
- 借金や投資は、先に相談してほしいと思いますか
- どちらかの収入が減ったとき、生活をどう調整しますか
- お金の話をするタイミングは、月に1回で足りますか
仕事とキャリア(5問)
- どちらかが転職や独立を考えたとき、優先したいことは何ですか
- 転勤や単身赴任の可能性を、どこまで受け入れられますか
- 仕事を辞める・休むという選択を、どんな条件なら支持できますか
- 収入と働きがい、どちらを優先したい場面が多いですか
- 相手の仕事の忙しさを、どこまで理解しておきたいですか
家事と育児(7問)
- 家事はどの項目を、どちらが担当したいですか
- 家事代行やサービスを使うことに、抵抗はありますか
- 子どもを持つかどうか、いつごろまでに考えを固めたいですか
- 育児休業は、どちらがどれくらい取りたいですか
- 子どもの教育方針で、譲れない考えはありますか
- 体調を崩したとき、家事育児をどう肩代わりしてほしいですか
- 家事の「やり方」が違ったとき、どちらに合わせたいですか
親・親族(5問)
- 実家とはどれくらいの頻度で連絡を取りたいですか
- 将来の親の介護を、どこまで担うつもりですか
- 帰省や集まりの予定は、誰が中心に決めたいですか
- 親から資金援助を受けることに、どう考えていますか
- 相手の親族との関わり方で、困っていることはありますか
住まいと暮らし(5問)
- 賃貸と持ち家、どちらを望んでいますか
- 住みたい地域や環境の条件はありますか
- 引っ越しの頻度は、どれくらいまで許容できますか
- 部屋の使い方やインテリアの好みは、すり合っていますか
- ペットを飼うかどうか、考えは一致していますか
時間の使い方(5問)
- 一人で過ごす時間は、週にどれくらい欲しいですか
- 休日の過ごし方は、2人一緒がいいか別々でもいいですか
- 友人や趣味の予定を、優先してよい範囲はどこまでですか
- 連絡を取り合う頻度は、どれくらいが心地よいですか
- 疲れているとき、そっとしておいてほしいか話したいか、どちらですか
これからのこと(5問)
- 5年後、どんな暮らしをしていたいですか
- 老後の生活について、話したことがありますか
- どちらかが病気や介護が必要になったとき、どうしたいですか
- 決めたことを見直すタイミングを、あらかじめ決めていますか
- 意見が食い違ったとき、最終的にどう決着させたいですか
答えが割れた設問だけ、印をつけて残す
40問のうち、答えが一致していた設問はそのままで大丈夫です。
答えが割れた設問だけに印をつけて、次の章のシートに移してください。
価値観 すり合わせ シートの作り方【紙1枚でできる】
チェックリストで割れた設問を、紙1枚のシートにまとめます。

1枚を4つの欄に分ける(場面/私/あなた/決めたこと)
紙を4つの欄に分けます。
「場面」「私」「あなた」「決めたこと」の4欄です。
割れた設問を場面に書き、それぞれの答えを私・あなたの欄に書き写してください。
「決めたこと」の欄は、期限つきで書く
決めたことの欄は、いつまでにという期限とセットで書いてください。
期限のない約束は、忙しさに紛れて自然消滅しやすいためです。
埋まらなかった欄こそ、次に話すところ
1回で決めたことの欄が全部埋まらなくても構いません。
むしろ埋まらなかった場面こそ、次にゆっくり話す価値がある場所です。
シートは保存して、1年後に開き直す
書いたシートは、その場限りにせず保存しておいてください。
1年後に開き直すと、決めたことが今も合っているか、変わったかを確認できます。
結婚 価値観 すり合わせを進める5ステップ
チェックリストとシートを、実際にどんな順番で使うかをまとめます。

STEP1 話す日を先に決める(もめている日にやらない)
すり合わせを始める日を、あらかじめカレンダーに入れておきます。
もめている最中に始めると、感情が先に立って話が進みません。
STEP2 チェックリストに別々に答える
決めた日までに、40問のチェックリストにそれぞれ別々に答えます。
相手の答えを先にのぞかないことが大切です。
STEP3 一致した欄を先に確認する
話し合いの最初は、答えが一致していた設問から確認します。
一致している部分を先に確かめると、安心した状態で次に進めます。
STEP4 割れた欄を1つだけ選んで話す
割れた設問は、一度に全部を話そうとせず、1つだけ選んで話します。
1つの場面をシートの4欄に沿って埋めていってください。
STEP5 決めたことをシートに書いて、期限を入れる
話し合いの最後に、決めたことと期限をシートに書きます。
残りの割れた設問は、次の機会に回して構いません。
夫婦 価値観の違いが表に出やすい5つの場面
価値観の違いは、普段は隠れていて、特定の場面で急に表に出てきます。
お金を使う判断が必要になったとき
大きな買い物や急な出費の判断が必要になったとき、感覚の違いが一気に見えます。
どちらかの仕事が変わるとき
転職や異動、収入の変化があったとき、それまで見えなかった優先順位の違いが表面化します。
子どもが生まれたあと
子どもが生まれると、家事育児の分担や教育方針といった、それまで話す必要のなかった論点が一気に増えます。
親の介護や帰省の話が出たとき
親との距離感の違いは、介護や帰省といった具体的な予定が入るまで気づきにくいものです。
予定が重なって、どちらかが折れる必要が出たとき
2人の予定が重なり、どちらかが折れなければならない場面では、時間の使い方への価値観の違いがはっきり出ます。
結婚相手に何を求めていたかは、統計で分かっている
結婚相手にもともと何を求めていたかも、公的な調査で分かっています。
| 項目 | 男性が女性に重視する割合 | 女性が男性に重視する割合 |
|---|---|---|
| 人柄 | 77.0% | 88.2% |
| 家事・育児の能力や姿勢 | 42.1% | 70.2% |
| 仕事への理解と協力 | 42.0% | 55.9% |
| 経済力 | 4.7% | 36.3% |
出典=国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」報告書 図表3-2-1(18〜34歳未婚者のうち、いずれ結婚するつもりと回答した者。男性1,654人・女性1,731人が対象)。
男女とも「人柄」がほぼ全員
人柄を重視すると答えた人は、男性77.0%、女性88.2%でした。
考慮すると答えた人まで合わせると、男女とも9割を超えています。
家事・育児の能力や姿勢は、女性のほうが強く求めている
家事・育児の能力や姿勢を重視すると答えた人は、男性42.1%に対して女性70.2%でした。
この項目は、男女で最も差が大きい項目の1つです。
「仕事への理解と協力」は、男女とも9割近くが見ている
仕事への理解と協力は、重視と考慮を合わせると男性88.5%、女性93.4%でした。
どちらの性別にとっても、ほぼ全員が意識している項目だとわかります。
経済力だけは、男女差が大きく開いている
経済力を重視すると答えた人は、男性4.7%に対して女性36.3%でした。
重視と考慮を合わせても男性48.2%、女性91.6%と、男女差が最も開いている項目です。
結婚前に見ていた条件と、暮らしてから効く条件は違う
この調査は、結婚意思のある未婚の人が結婚相手に何を求めているかを尋ねたものです。
結婚してからの生活で実際にすり合わせが必要になる場面とは、必ずしも一致しません。
だからこそ、結婚前に見ていた条件だけで満足せず、暮らし始めてからも定期的に話す機会が必要になります。
価値観のすり合わせで大事なのは「似ていること」ではなかった
「価値観が似ている夫婦ほど幸せ」という言い回しをよく見かけますが、この記事ではその表現は使いません。
313の研究を集めた分析が示したこと
Montoya, Horton, & Kirchner(2008)は、313の研究を集めたメタ分析で、価値観の類似性と関係満足度の関連を調べました。
その結果、既存の関係においては、実際に似ていることの効果は有意ではなかったと報告されています。
効いていたのは「似ていると感じられているか」
有意な関連が見られたのは、知覚された類似性、つまり「似ていると感じられているかどうか」のほうでした(相関係数r=.39)。
夫婦を対象にしたGaunt(2006、248組)やLeikas et al.(2018、312組)の個別研究でも、同じ方向の結果が報告されています。
だから、確かめる会話そのものに意味がある
実際にどれだけ似ているかよりも、似ていると感じられているかのほうが効いているとすれば、確かめる会話そのものに意味があるということになります。
チェックリストとシートで対話する時間は、この「似ていると感じられているか」を育てる時間だといえます。
⚠️ 「価値観が似ている夫婦ほど幸せ」とは書けない
先ほどの研究結果は、「価値観が似ている夫婦ほど幸せ」という言い回しとは、むしろ逆の内容です。
実際に似ているかどうかではなく、対話を通じて似ていると感じられる状態をつくることのほうが大切だと、この記事では受け止めています。
価値観は8つの軸で見ると、対になって押し合っている
価値観を、具体的な8つの軸に分けて見る方法もあります。

心理学者シュワルツの理論が土台にある
この考え方の土台には、心理学者シュワルツの価値観理論があります。
価値観は円環状に並んでいて、隣り合う価値観は近く、向かい合う価値観は対立しやすいという構造です(Schwartz, S. H., 2012, “An Overview of the Schwartz Theory of Basic Values”, *Online Readings in Psychology and Culture*, 2(1))。
株式会社Rinの8軸と、対になる4組
価値観16タイプ一覧と8軸の見方では、成長・学び、挑戦・達成、貢献・役立ち、人とのつながり、安定・安心、誠実・信頼、楽しさ・心地よさ、自由・柔軟性の8軸を扱っています。
このうち、円環で向かい合う4組は、成長と安定、自由と誠実、楽しさとつながり、挑戦と貢献です。
| 組 | 押し合う軸 |
|---|---|
| 1組目 | 成長・学び ⇔ 安定・安心 |
| 2組目 | 自由・柔軟性 ⇔ 誠実・信頼 |
| 3組目 | 楽しさ・心地よさ ⇔ 人とのつながり |
| 4組目 | 挑戦・達成 ⇔ 貢献・役立ち |
合計は動かない=全部を同時に強くはできない
8軸の合計は常に一定で、動きません。
片方の軸が強く出ているとき、向かい合うもう片方は静かになる、という関係です。
これは2人のあいだでも同じで、片方が安定を前に出しているとき、その人が成長を捨てたわけではありません。
だから「どちらが正しいか」ではなく「どちらを今は前に出すか」になる
対になる軸があるという前提に立つと、話し合いの目的が変わります。
「どちらの考え方が正しいか」を決める話ではなく、「いま、どちらを前に出すか」を決める話になるからです。
価値観のすり合わせで、やってはいけない4つのこと
すり合わせの会話には、うまくいかなくなる典型的なパターンがあります。
相手の言葉を一般論に置き換える
相手が「上司との関係で疲れている」と言っているのに、「職場のストレスだよね」と一般論に置き換えてしまうと、話を聞いてもらえていないと感じさせます。
相手が使った言葉を、そのまま受け取ることが大切です。
言っていない気持ちを断定する
「それは寂しかったんだよね」と断定するのではなく、「もしかすると、少し寂しさもあった?」と、相手が違うと言える形で聞くほうが安全です。
決めつけは、価値観が合わないと感じたときの対処法でも触れているとおり、話し合いを止めてしまう典型的な原因です。
一度に2つ以上を決めようとする
1回の話し合いで複数の場面を同時に決めようとすると、どれも中途半端に終わりやすくなります。
STEP4で触れたとおり、1回につき1つの場面だけに絞ってください。
二択で詰める
「AかBか、どっちなの」と二択で詰めると、相手は追い詰められた気持ちになります。
問いは一度に1つだけ、答えを急がせない形で置くほうが、本音に近づけます。
価値観のすり合わせを、道具を使って一人で先に整える
2人で話す前に、まず一人で自分の考えを整理しておくと、話し合いがスムーズになります。
二択12問で、いまの自分に強く出ている軸を見る
二択12問でできる価値観軸チェックは、無料・登録不要で、入力内容はどこにも送信されません。
いまの自分にどの軸が強く出ているかを、話し合いの前に確認しておくのに向いています。
お金の話は、専用の診断で対比表まで出す
お金に関する価値観は、先ほど紹介したお金の価値観診断を使うと、2人の結果を対比表で見比べられます。
正反対の結果は、対立ではなく補い合える組み合わせとして読むこともできます。
毎日の記録から、価値観は後から見えてくる
一度の診断だけでなく、日々の記録を続けることでも、価値観は少しずつ見えてきます。
アプリ「自分と話すノート」では、毎日届く問いに書くだけで、書いた言葉から価値観が育っていく仕組みになっています。
相手に見せる前に、自分の言葉にしておく
診断や記録で見えてきたことは、相手に見せる前に、まず自分の言葉にしておくことをおすすめします。
自分の中で言葉になっていないことは、相手にもうまく伝わらないためです。
価値観のすり合わせに関するよくある質問
Q. すり合わせは結婚前と結婚後、どちらでやるべきですか?
どちらか一方だけということはありません。
結婚前に一度整理しておき、暮らしが変わるたびに、シートを開き直すのがおすすめです。
Q. 相手がチェックリストに乗ってくれません。どうすればよいですか?
40問すべてを一度にやろうとせず、まずは1つの場面だけ、気軽な雰囲気で誘ってみてください。
負担に感じさせない量から始めることが、続けるコツです。
Q. 話し合うと必ず険悪になります。それでも続けるべきですか?
険悪になりやすい場合は、STEP1のとおり、もめていない日をあらかじめ決めて話すことを試してみてください。
それでも難しいと感じるときは、この記事の範囲を超える話になりますので、専門家に相談することも選択肢です。
Q. 一度決めたことは、変えてはいけないのでしょうか?
決めたことは、変えてはいけないものではありません。
シートを保存して1年後に開き直すのは、状況の変化に合わせて決め直すためです。
Q. 価値観が違いすぎると感じたときは、どう考えればよいですか?
まずは8つの場面のどこで違いを感じているのか、具体的に言葉にしてみてください。
漠然とした「価値観が違う」を、具体的な場面まで分解すると、話し合える形になることが多いです。
価値観のすり合わせは、1つの場面から始められる(まとめ)
価値観のすり合わせは、2人が同じ考え方になることではなく、ずれる場面での決め方を先に持っておくことです。
「離婚理由の1位は価値観の違い」という数字は、公的な統計のどこにも存在しません。
だからこそ、それぞれの夫婦が自分たちの言葉で、8つの場面を1つずつ言語化していく必要があります。
40問すべてに一度に答える必要はありません。
まずは1つの場面だけ選んで、チェックリストとシートを試してみてください。
一人でまず整理しておきたい場合は、自分と話すノートを使ってみるのもおすすめです。
基本無料で始められ、毎日の問いに書くだけで、割れた欄を自分の言葉にしておく準備ができます。
著者:鶴田 洋(つるた ひろし)/ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ


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