ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ(2025年取得・Gallup公式プロフィール)。東証プライム企業で管理職・マネジメントを経験し、営業実績で全店1位を複数回達成。これまでに500回以上のコーチングセッションを実施しています。
資料請求はもらえている。資料も送った。それなのに、そこから先が進まない。
この記事は、その「そこから先」を手順にしたものです。
結論から書きます。資料請求後のフォローは「5分以内の受領連絡 → 当日の一次接触 → 1週間・2週間・1か月・3か月の再接触」という時間軸で先に決めておくものです。個別に判断しようとするから止まります。
本記事では、7段階の手順、回数と間隔の目安、そのまま使えるメール文面、やってはいけないこと、法律上の注意点、そしてそもそもフォローの回数を減らす資料のつくり方まで、順番にまとめました。
「きける資料」を見る
資料請求後のフォローとは何をすることか

資料請求後のフォローとは、資料を送ったあとに、相手の検討を前に進めるために能動的に接触する一連の行動のことです。
「送って、返事を待つ」はフォローではありません。それは待機です。
フォローに含まれる4つの行動
- 受領連絡:請求を受け取ったことと、いつ何が届くかを伝える
- 一次接触:資料が届いた前提で、目的と現状を聞く
- 再接触:検討が動くタイミングに合わせて、材料を足す
- 掘り起こし:今回は動かなかった相手に、期間を空けて戻る
この4つのうち、多くの会社で抜けるのは3つ目と4つ目です。1回か2回連絡して反応がないと、そこで止まります。
フォローの目的は「売る」ではなく「決められる状態にする」
資料請求の段階では、相手はまだ買うかどうかを決めていません。決めるための材料を集めている途中です。
だからフォローの目的は、相手が「やる」「やらない」「今じゃない」のどれかを自分で決められる状態にすることになります。
この置き方をすると、断られることが失敗ではなくなります。宙ぶらりんのまま放置されることのほうが、営業にとっては損失です。
資料請求後のフォローで成果が変わる根拠

初動の速さが結果を変えることは、公開されている調査で確かめられています。
1時間以内の接触と、24時間後の接触の差
ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された調査「The Short Life of Online Sales Leads」(James B. Oldroyd/Kristina McElheran/David Elkington、2011年)では、米国のB2C29社・B2B13社が受け取った125万件の営業リードが分析されています。
その結果として報告されているのが、次の数字です。
- 問い合わせを受けてから1時間以内に接触を試みた企業は、その1時間後に接触した企業に比べ、リードを有望化できる可能性が約7倍
- 24時間以上待った企業と比べると60倍以上
ここでいう「有望化」は、キーパーソンと意味のある会話ができた状態と定義されています。受注そのものではなく、話が始まった状態です。
それでも多くの会社は遅い
同じ記事では、米国企業2,241社に対して、Web経由のテストリードへの反応時間を実測した監査結果も報告されています。
- 1時間以内に反応:37%
- 1〜24時間で反応:16%
- 24時間超:24%
- 一度も反応しなかった:23%
- 30日以内に反応した企業の平均反応時間:42時間
4社に1社近くが、資料請求に対して一度も返していません。
この数字は2011年の米国のものです。そのまま日本の現在に当てはめることはできません。ただ、「速い会社が少ない」という構造は、いまの日本の中小企業でもそう変わらないというのが、現場を見ていての実感です。
出典:The Short Life of Online Sales Leads(Harvard Business Review, 2011年3月)
資料請求後のフォローが止まる4つの原因

速いほうがいいと分かっていても止まるのは、意思が弱いからではありません。仕組みの側に原因があります。
原因1 誰がいつ動くかが決まっていない
資料請求の通知メールが全員宛に届く運用だと、全員が「誰かが対応する」と思います。
担当と期限を決めていない限り、初動は必ず遅れます。
原因2 相手が資料を読んだかどうか分からない
PDFを添付して送ると、そこから先が見えません。開いたのか、途中で閉じたのか、どのページで止まったのかが分からない。
分からないから、次の連絡のきっかけを自分でつくれず、「そろそろ1週間経ったので」という弱い理由で電話することになります。
原因3 相手が営業担当に聞きにくいことを抱えている
ここが、いちばん見えにくい原因です。
資料を読んだ相手の頭の中には、たいてい次のような疑問が残っています。
- この価格は妥当なのか。高いのか安いのか判断がつかない
- 他社と比べてどうなのか。正直なところを知りたい
- 途中でやめたくなったら、どうなるのか
- 本当に効果があるのか。うちみたいな会社でも成り立つのか
これらは、営業担当に直接は聞きにくい質問です。
「他社と比べてどうですか」と聞けば売り込まれる。「やめるときは」と聞けば、まだ始めてもいないのに失礼な気がする。だから聞かないまま、返事をしないという形で終わります。
つまり断る理由が、言葉にならないまま失注していく。これが資料請求後に最も多く起きていることだと考えています。
原因4 記録が個人のメールボックスの中にある
誰にいつ何を送ったかが、担当者の受信箱にしかない状態では、引き継ぎも振り返りもできません。
3か月後の掘り起こしができないのは、たいていこの理由です。
資料請求後のフォロー7段階の全体像

先に全体像を置きます。この表のとおりにあらかじめ予定として組んでおくのが、この記事のいちばん重要な部分です。
| 段階 | タイミング | やること | 手段 |
|---|---|---|---|
| 1 | 5分以内 | 受領連絡と資料の送付 | 自動メール |
| 2 | 当日中 | 一次接触。目的と現状を聞く | 電話 |
| 3 | 3日後 | 読みどころの補足と質問の受け皿 | メール |
| 4 | 1週間後 | 近い事例を1件だけ渡す | メール+電話 |
| 5 | 2週間後 | 検討の状況を確かめる。止めていい合図も出す | 電話 |
| 6 | 1か月後 | 売り込まない情報提供に切り替える | メール |
| 7 | 3か月後 | 状況の変化を前提に掘り起こす | 電話+メール |
大事なのは、7段階を最初に予定表へ入れてしまうことです。
反応があった時点でそこから先は不要になります。予定は多めに置いて、途中で消すほうが早い。
資料請求後のフォロー第1段階 5分以内の受領連絡

資料請求を受けたら、まず5分以内に受領連絡を自動で返します。
ここは人がやる場所ではありません。フォームの自動返信で完結させます。
受領連絡に必ず入れる5つ
- 資料そのもの、または資料へのリンク(探させない)
- 担当者の名前と連絡先(会社の代表番号だけにしない)
- 対応できる時間帯
- 次に何が起きるか(「本日中に一度お電話します」など)
- 相手から連絡する手段(日程調整のURL、返信先)
「後日担当者よりご連絡します」で終わらせない
この一文だけの自動返信が、いちばん多く見かける形です。
受け取った側からすると、いつ誰から連絡が来るのか分かりません。不確かな予定は、相手の頭の中で優先順位を下げます。
「本日18時までに、担当の◯◯からお電話します」と書くだけで、その電話は「知らない番号」ではなくなります。
資料請求後のフォロー第2段階 当日中の一次接触

当日中に一度、電話をかけます。
目的は売り込みではありません。資料請求の背景にある目的を確かめることです。
相手は資料を読んでいない前提で話す
「資料はご覧いただけましたか」から入ると、たいてい「まだ見ていません」で会話が止まります。
そうではなく、読んでいない前提で、要点を30秒で伝える形にします。
一次接触で聞く3つ
- 何を解決したくて資料を見ようと思ったのか(きっかけ)
- いま困っていることは何か(現状)
- いつ頃までに何かを決めたいのか(時期)
この3つが取れれば、以降のフォローは「何を送ればいいか」が自動的に決まります。
1回目の電話で売り込まない
初回の電話で提案まで進めると、相手は身構えます。
1回目は聞くだけにして、電話の終わりに次の接点を置く。「来週、近い事例を1つだけお送りしますね」と伝えておけば、次の連絡が唐突になりません。
相手の話を引き出す聞き方そのものを鍛えたい場合は、AI商談練習場で商談の受け答えを練習する方法を用意しています。登録不要で試せます。
資料請求後のフォロー第3段階 3日後の補足メール

当日の電話がつながらなかった場合も、つながった場合も、3日後にメールを1通入れます。
3日後に送る理由
資料を受け取った直後は、目の前の仕事のほうが優先されます。実際に開くのは数日後というのが普通です。
3日後は、「そういえば資料を頼んだな」と思い出せる範囲の最後にあたります。
補足メールの型
- 読みどころを1か所だけ指定する(「10ページの費用の内訳だけ見てください」)
- 電話でうかがったことを1行で復唱する(つながっていた場合)
- 質問の受け皿を置く(「どんな細かいことでも構いません」)
資料全体を読ませようとしないことが要点です。1か所に絞ると、読まれる確率が上がります。
資料請求後のフォロー第4段階 1週間後の再接触

1週間後は、相手が社内で話題にし始める頃です。
ここで渡すのは、価格でも機能一覧でもありません。自社と近い会社の事例を1件だけです。
事例は「同じ規模・同じ業種・同じ悩み」で選ぶ
有名企業の事例は、中小企業の担当者にとっては他人事になります。
「従業員30名の建設会社が、同じ理由で導入した」という1件のほうが、社内を通すときの材料になります。
3件送らない
選択肢を増やすと、相手は選ぶ作業をしなければいけなくなります。
1件に絞って、なぜその1件を選んだのかを書き添える。これで「自分たちのことを考えてくれている」という印象に変わります。
資料請求後のフォロー第5段階 2週間後の状況確認

2週間後は、相手のなかで結論が出かけている時期です。
ここでやることは、結論を聞くことです。追いかけることではありません。
「止めていい」という合図を先に出す
この段階で最も効くのが、次の一言です。
「今回は見送りということであれば、遠慮なくおっしゃってください。そのほうが、こちらも次のご提案の仕方を考えられますので」
断る許可を先に渡すと、相手は本当のことを言いやすくなります。
「検討します」で終わる案件は、ここで終わらせたほうが安い。宙に浮いたまま持ち続けるコストのほうが、断られるコストより大きいからです。
3つに仕分ける
- やる:次の具体的な予定を、その電話の中で決める
- やらない:理由を1つだけ聞いて、記録して終える
- 今じゃない:いつ頃なら状況が変わるかを聞いて、その月に予定を入れる
3つ目が最も多く、そして最も取りこぼされます。「今じゃない」を聞いたら、その場で3か月後の予定を入れてください。
資料請求後のフォロー第6段階 1か月後の情報提供

1か月を過ぎたら、提案のトーンを完全に切り替えます。
ここから先の連絡は、売り込みではなく情報提供にします。
送っていいもの・送らないもの
- 送っていい:制度の変更、業界の動き、他社が実際にやっていること、自社の新しい取り組み
- 送らない:「その後いかがでしょうか」だけのメール、値引きの案内、同じ資料の再送
「その後いかがでしょうか」は、相手に判断を求めているだけで、相手にとっての価値がありません。
返信を求めない形にする
この段階のメールは、返信不要と明記して送るほうが読まれます。
返信の義務を外すと、相手はメールを開くことへの心理的な負担が減ります。開いてもらえてさえいれば、必要になったときに思い出してもらえます。
資料請求後のフォロー第7段階 3か月後の掘り起こし

3か月経つと、相手の状況は変わっています。
- 担当者が代わった
- 予算の期が変わった
- 別の方法を試して、うまくいかなかった
この変化を前提に、もう一度接触します。
「以前ご資料をお送りした」から入らない
3か月前のことを、相手は覚えていません。覚えていない前提で、あらためて自己紹介から入るほうが自然です。
そのうえで「その後、同じような課題のご相談が増えていまして」と切り出せば、押し売りになりません。
掘り起こしの母数は、記録がある会社にしかない
3か月後に戻れるのは、記録が残っている会社だけです。
ここが、フォローを仕組みにしておく最大の理由になります。
資料請求後のフォローの回数と間隔の目安

「何回まで連絡していいのか」は、最も多く聞かれる質問です。
3か月で7回が目安
前掲の7段階が、そのまま回数の目安になります。3か月のあいだに7回。うち電話が3回、メールが4回です。
これは多すぎず、少なすぎない範囲だと考えています。1週間に2回以上入れると追われている感覚になり、1か月空けると忘れられます。
間隔は「広げていく」
接触の間隔は、最初は狭く、だんだん広げるのが基本です。
5分 → 当日 → 3日 → 1週間 → 2週間 → 1か月 → 3か月。関心が最も高いのは請求した直後なので、そこに厚みを置きます。
回数を数えるのではなく、理由を数える
回数そのものより、1回ごとに相手にとっての用件があるかのほうが大事です。
用件のない連絡は、1回でも多すぎます。用件のある連絡なら、7回でも嫌がられません。
資料請求後のフォローで使うチャネルの使い分け

手段は4つあります。それぞれ向いている場面が違います。
| 手段 | 向いている場面 | 向いていない場面 |
|---|---|---|
| 電話 | 目的を聞く。結論を確かめる | 情報を渡すだけのとき |
| メール | 資料を渡す。社内で転送してもらう | 結論を急ぐとき |
| SMS | 電話がつながらない相手への一報 | 長い説明。広告色の強い内容 |
| 郵送 | 決裁者に届けたいとき | スピードが要るとき |
メールは「転送されること」を前提に書く
資料請求をした人が決裁者とは限りません。むしろ、多くの場合は違います。
資料を請求した人の役割から次の質問を考えたいときは、決裁者と担当者の違いを参考に、社内で誰の確認が必要かを整理できます。
だからメールは、そのまま上司に転送しても意味が通る形で書きます。前回のやり取りを前提にした書き方をすると、転送された先で読めなくなります。
SMSは広告として扱われる場合がある
総務省は、電話番号でメッセージを送受信するサービス(SMSなど)も、特定電子メール法にいう電子メールの通信方式の一つとしています。広告・宣伝の内容を送る場合は、原則として同法の規制対象になります。
「電話がつながらなかったので折り返しをお願いします」という連絡と、キャンペーン案内は分けて考えてください。
資料請求後のフォローメール文面5本

そのまま使える形で置きます。会社名と担当者名だけ差し替えてください。
1 受領連絡(5分以内・自動返信)
件名:資料をお送りしました(株式会社◯◯)
本文:このたびは資料をご請求いただきありがとうございます。下記より資料をご覧いただけます。
【資料URL】
本日18時までに、担当の◯◯より一度お電話を差し上げます。お電話が難しい場合は、このメールにご返信いただければ日程を調整します。
お急ぎの場合は【電話番号】へ直接ご連絡ください(平日9時〜18時)。
2 電話がつながらなかったとき(当日)
件名:先ほどお電話しました(株式会社◯◯ ◯◯)
本文:先ほどお電話を差し上げましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼します。
お伝えしたかったのは1点だけで、資料の10ページにある費用の考え方が分かりにくいというお声を多くいただいているため、そこだけ補足させてください。
【1〜2行の補足】
ご都合のよい時間帯をお知らせいただければ、あらためてご連絡します。
3 3日後の補足メール
件名:資料の中で、ここだけ見ていただければ(株式会社◯◯)
本文:先日お送りした資料について、1か所だけ補足します。
【該当ページと要点を3行】
細かいことでも構いませんので、気になった点があればこのメールにそのままご返信ください。その場でお答えします。
4 1週間後の事例送付
件名:御社に近い規模の会社の事例です
本文:先日うかがった【相手の課題】に近い事例が1件ありましたので、お送りします。
【事例の概要を4〜5行】
規模も業種も御社に近かったため、この1件だけお送りしました。ご参考になれば幸いです。
5 1か月後の情報提供(返信不要)
件名:【業界の動き】について(返信は不要です)
本文:以前ご資料をお送りした株式会社◯◯の◯◯です。
【制度変更や業界動向を5行程度】
ご検討の状況をうかがう趣旨ではありませんので、ご返信は不要です。何かのタイミングでお役に立てましたら、いつでもご連絡ください。
資料請求後のフォローでやってはいけない6つ

ここを外すと、それまでの積み上げが一度で消えます。
1 「その後いかがでしょうか」だけを繰り返す
相手にとっての用件がありません。3回続くと、着信が拒否される側に回ります。
2 資料を読んでいる前提で話す
「ご覧いただけましたか」は、相手に「見ていません」と言わせる質問です。会話が謝罪から始まってしまいます。
3 同じ資料を送り直す
手詰まりであることが相手に伝わります。送るなら、前と違うものを送ります。
4 値引きを先に出す
検討が止まっている理由が価格とは限りません。理由を聞く前に値引きを出すと、価格が唯一の論点になってしまいます。
5 決裁者を飛ばして直接連絡する
担当者の立場を悪くします。決裁者に届けたいなら、担当者が社内で使える材料を渡すほうが早いです。
6 断られた相手を記録せずに消す
「今回は見送り」は「未来永劫不要」ではありません。理由と時期を記録しておけば、3か月後の母数になります。
資料請求後のフォローと特定電子メール法の注意点

フォローメールを送るときは、法律の枠を確認しておいてください。
広告・宣伝メールは原則として規制の対象
総務省は「広告・宣伝メールを送信する場合、当該メールは原則、特定電子メール法の規制対象となります」と案内しています。
資料請求のフォローは、内容によっては広告・宣伝メールにあたります。同意の取り方、送信者情報の表示、受信拒否の連絡先の記載など、実務上のポイントは同省の迷惑メール対策のページと「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」で公開されています。
資料請求フォームに一文を入れておく
資料請求のフォームに、今後の案内メールを送ることについての同意欄を置いておくと、あとの運用が楽になります。
同意を得た記録を残しておくことも、ガイドラインで求められている実務です。
詳細な要件と自社での運用可否については、総務省のガイドライン原文と、必要に応じて専門家の確認をおすすめします。
営業資料を送りっぱなしにしない仕組みのつくり方

ここまでの7段階を、気合いでやろうとすると続きません。
送りっぱなしを防ぐには、忘れても実行される形にしておく必要があります。
やることは3つだけ
- 資料請求が入った瞬間に、7回分の予定を自動で入れる
- 資料が読まれたかどうかが分かるようにする
- 相手が自分から動ける入口を、資料の中に置く
1つ目はカレンダーとタスク管理でできます。費用はかかりません。
PDFの添付をやめてURLで渡す
2つ目を解決する最も簡単な方法が、資料をPDFで添付するのをやめて、URLで渡すことです。
URLで渡すと、次の3つが変わります。
- 最新版が常に保たれる(差し替えても、送り直さなくていい)
- 開かれたかどうかが分かる
- 相手の端末を選ばない(スマホでも開ける)
相手が自分から動ける入口を置く
3つ目が、最も見落とされます。
資料の中に、相手のほうから動ける入口——日程調整のリンク、質問の受け皿、上司へ転送するボタン——を置いておくと、追いかける回数そのものが減ります。
資料請求後のフォローを属人化させない管理表

ツールを入れる前に、表計算ソフト1枚で始められます。
最低限そろえる7列
| 列 | 入れる内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 請求日 | 資料請求が入った日 | 7段階の起点になる |
| きっかけ | なぜ資料を見ようと思ったか | 次に送るものが決まる |
| 検討時期 | いつ頃決めたいか | 追う優先順位が決まる |
| 最終接触日 | 最後に連絡した日 | 放置を見つけられる |
| 次回予定日 | 次にいつ連絡するか | これが空欄の行が失注予備軍 |
| 状態 | やる/やらない/今じゃない | 掘り起こしの母数になる |
| 見送り理由 | 断られた理由を1行 | 資料と提案を直す材料になる |
いちばん大事な列は「次回予定日」
この列が空欄の行が、そのまま放置されている案件です。
週に一度、空欄の行だけを見る時間を10分とる。それだけで、送りっぱなしはかなり減ります。
見送り理由は、営業ではなく資料を直すために使う
断られた理由が3件同じだったら、それは営業の問題ではありません。資料がその点に答えられていないということです。
資料請求後のフォローが減る資料のつくり方

ここまで手順を書いてきましたが、最後にもう一段だけ上の話を置きます。
そもそも、資料の側が質問に答えられれば、追いかける必要は減ります。
フォローの多くは「聞けなかったこと」を埋める作業
この記事の前半で書いたとおり、資料請求後に検討が止まる大きな理由は、営業担当には聞きにくい質問が残ったままだからです。
価格の妥当性、他社との違い、途中でやめるときの条件、本当に効果があるのかという疑い。
これらは営業に直接ぶつけにくく、しかも解けないと決められない種類の疑問です。だから相手は返事をせず、こちらは追いかけることになります。
つまりフォローの回数は、資料が答えられていない量に比例して増えるということです。
資料をAIチャットにするという方法
その場で聞ける状態をつくる方法として、資料そのものをAIチャットのURLにするやり方があります。当社が提供している営業資料をそのままAIチャットにする「きける資料」は、この考え方でつくったサービスです。
資料をURLで配り、相手は読みながらその場で質問できます。相手にとってはAIが相手なので、営業に聞きにくいことを聞けます。
質問ログが「断る理由」を見せてくれる
この形にすると、副産物として質問の記録が残ります。
何を聞かれたかが分かるということは、断られる前に、断る理由が見えるということです。
「他社との違い」を聞かれているなら、資料に比較の観点が足りない。「解約」を聞かれているなら、始めることへの不安が残っている。どちらも、次の版で直せます。
料金は初期設定49,800円・月額19,800円(いずれも税込・2026年8月時点)で、資料からチャットページの制作までを当社が行う形です。
中小企業がAIを使えていない理由は「イメージできない」
中小企業庁の「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要」によると、約3割の中小企業がAI活用に取り組んだと回答しており、バックオフィス部門のほか営業・販売・顧客対応部門でも活用が進んでいます。
一方で、AIを活用していない事業者に理由を聞いた結果は次のとおりです(n=3,888・複数回答)。
- 活用する業務がイメージできていない:63.4%
- 活用を推進する人材が不足している:40.0%
- 社内ルール・ガイドラインが整備されていない:26.2%
- セキュリティ・情報漏えいへの不安がある:14.5%
- 必要な予算を確保できない:13.8%
止めているのは、費用でも技術でもありません。「どの仕事に使えばいいか分からない」が最大の理由です。
資料請求後のフォローは、その意味では分かりやすい入口だと言えます。使う場面が1つに決まっているからです。
出典:2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要(中小企業庁)(調査データ=帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」)
資料請求後のフォローに関するよくある質問

Q. 資料請求後のフォローは何分以内に始めるべきですか
受領連絡は5分以内、人による一次接触は当日中が目安です。前掲のハーバード・ビジネス・レビューの調査では、1時間以内の接触が1時間後の接触に比べて約7倍という差が報告されています。自動返信と人の電話を分けて考えると、5分以内は現実的な目標になります。
Q. 電話がつながらない相手は、何回までかけていいですか
同じ日に何度もかけるのは避けてください。日と時間帯を変えて3回までを目安に、それでもつながらなければメールに切り替えます。朝一番と夕方は、担当者が席にいる確率が比較的高い時間帯です。
Q. 資料請求のあと、すぐ商談に誘ってもいいですか
誘って構いませんが、1回目の電話では聞くことを優先してください。目的と時期を確かめないまま日程を提案すると、断る材料を相手に渡すことになります。
Q. フォローしても一度も返事がない相手は、いつ諦めますか
諦めるのではなく、頻度を落として残すのが現実的です。2週間の時点で反応がなければ、1か月後・3か月後の情報提供に切り替えます。担当者の交代や予算期の変化で、状況は変わります。
Q. 資料請求後のフォローを自動化すると冷たくなりませんか
自動化するのはタイミングの管理と受領連絡だけにしてください。何を話すかは人が決めます。「いつ連絡するかを忘れない仕組み」と「何を伝えるかを考える人」は、分けて設計できます。
Q. 資料を送りっぱなしになっているかどうかは、どう確かめますか
管理表の「次回予定日」が空欄の行を数えてください。その件数が、送りっぱなしになっている案件の数です。数えられる形にしておくことが、改善の最初の一歩になります。
Q. 少人数の会社でも7段階は回せますか
回せます。7回のうち人が動くのは電話3回だけで、残る4回はメールの型を用意しておけば数分で送れます。1件あたりの実作業は、3か月で合計30分程度が目安です。
Q. 自社の営業のどこが弱いのかを先に知りたいのですが
売り方の癖を先に把握したい場合は、営業スタイル診断で自分の強みを二択12問で確かめる方法を用意しています。無料・登録不要で、フォローの設計を自分に合った形にする材料になります。
資料請求後のフォローを今日から始める3ステップ

最後に、明日からできる形に落とします。
ステップ1 受領連絡の自動返信を書き直す(30分)
「後日担当者よりご連絡します」を、「本日18時までに、担当の◯◯からお電話します」に変えます。担当者名と時間帯、資料のリンク、日程調整の入口を入れてください。
ステップ2 管理表に「次回予定日」の列を足す(10分)
すでに使っている表計算ファイルに1列足すだけです。今週、この列が空欄の行を数えてみてください。
ステップ3 資料に「その場で聞ける入口」を置く(相談から)
質問の受け皿を資料の中に置くと、追いかける回数そのものが減ります。営業資料をAIチャットのURLにして質問ログを残す仕組みは、その最短の形として用意しました。
資料請求は、相手が自分から手を挙げてくれた合図です。
その合図に応える速さと段取りを決めておくことが、いちばん費用のかからない改善になります。


コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 質問が来たあと、いつ何を返すかを決めていないと、せっかくの答え合わせが流れます。 その手順は資料請求後のフォロー7段階の手順に整理しています。 […]
[…] 比較表を渡したあとのフォローも、資料請求後のフォロー手順と同じように、送って終わりにしない工夫が求められます。 […]
[…] 資料請求後のフォロー手順は、読み切られなかった資料をどう追いかけるかの参考になります。 […]