期首面談の質問例と準備すること 目標と支援を合意する進め方

期首面談に向けて 目標と希望を整理するのアイキャッチ

10月や4月が近づくと、カレンダーに「期首面談」という予定が入ります。

上司の立場なら、何を聞けば今期の目標がうまく決まるのか迷います。部下の立場なら、何を準備していけばいいのか分からないまま当日を迎えることがあります。

この記事では、期首面談で使える質問例と、部下が事前に用意しておくとよい3つのことをまとめました。上司が聞くこと・部下が話すこと・面談のあとに残しておくものまで、順番に見ていきます。

もし今度の期首面談をどう進めればいいか迷っているなら、最後まで読んでいただく価値があると思います。

なお、部下との面談全般の質問例(人事面談・評価面談・賞与面談・メンター面談を含む50問)は部下との面談の質問例50選と目的別の進め方にまとめています。この記事はそのうち「期首」に絞って、上司側と部下側の両方の視点から深掘りする位置づけです。

目次
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期首面談とは何をする場か

期首面談は、新しい評価期間の始まりに、上司と部下が今期の目標を話し合う面談です。実施月や扱う議題は会社の制度によって異なります。

目的は大きく2つあります。

  • 今期の目標を、会社の方針とすり合わせて決めること
  • 前期の振り返りを踏まえて、本人が伸ばしたいことを言葉にすること

この記事では、期首面談のうち「今期の目標と必要な支援を合意する時間」に焦点を当てます。前期の評価も同じ面談で伝える制度なら、評価の説明と今期の相談を分けて進めてください。

期首の目標相談では「何を目指し、どんな支援があれば取り組めるか」を確認します。

この前提がずれると、期首面談が数字の割り当てだけで終わってしまいます。数字の話に入る前に、なぜそれをやるのかという部分を一緒に確認しておくと、期の途中で目標を見失いにくくなります。

ノートに「今期の目標」と書き込みながら、穏やかな表情で話し合う2人。付箋やメモが机に置かれている情景

期首面談は10月と4月 どちらの会社にも共通する

期首から期末までの流れ。期首に目標を決める、期中に条件を見直す、期末に結果を振り返る

会社によって決算期が違うため、期首面談は4月に行う会社もあれば、10月に行う会社もあります。半期ごとに目標を見直す会社では、年に2回、期首面談の機会があることになります。

どちらの時期であっても、話す内容の骨格は変わりません。前期の振り返りと今期の目標を、上司と部下の言葉で確認するという点は共通しています。

以下は、期首面談・期中の確認・期末面談の役割を整理した表です。

時期 主な目的 話す中心
期首 今期の目標を決める これから何をするか
期中(1〜3か月後) 進み具合を確認する 今のところどうか
期末 結果を振り返る 何ができて、何が残ったか

期首だけを丁寧にやっても、期中の確認が抜けてしまうと、期末に大きなずれとして表れてしまいます。期首面談で「次に確認する時期」まで決めておく理由は、ここにあります。

上司側の質問例

上司が期首面談で使える質問を、3つの場面に分けて紹介します。

目標の握り方を確認する質問

目標は、上司が決めて渡すものではなく、部下と一緒に握るものです。以下の質問は、本人の言葉で目標を語ってもらうために使えます。

  • 今期、会社やチームの方針を踏まえると、あなたはどこに力を入れられそうですか
  • その目標を達成できたら、チームにとってどんな変化がありますか
  • 目標の中で、いちばん難しいと感じる部分はどこですか
  • その目標を、月単位で見るとどんな進み方になりそうですか
  • 目標を決めるうえで、こちらに確認しておきたいことはありますか

去年の振り返りを一緒に見る質問

いきなり今期の話に入らず、前期を振り返る時間を挟むと、本人も落ち着いて話しやすくなります。

  • 前期を振り返って、いちばん手応えがあった仕事は何ですか
  • 逆に、うまくいかなかったと感じることはありますか
  • そのとき、自分に足りなかったと思うものはありますか
  • 前期の目標と、実際にやったことの間にずれはありましたか
  • 今期に持ち越したいことはありますか

本人が伸ばしたいことを聞く質問

期首面談は、会社側の期待だけでなく、本人のキャリアの希望を聞く機会でもあります。

  • これから、どんな仕事に挑戦してみたいですか
  • 今のスキルの中で、もっと伸ばしたいと思うものはありますか
  • 半年後や1年後に、どんな状態になっていたいですか
  • 今の仕事の進め方で、変えたいと感じている部分はありますか
  • 会社やチームに、もっとこうしてほしいということはありますか
机に置かれた1年分のカレンダーとノートを見ながら、去年の振り返りを話す部下の表情アップ

部下側が用意しておく3つのこと

期首面談は、上司から聞かれたことにその場で答える場になりがちです。けれど、事前に3つだけ用意しておくと、自分の言葉で話せる面談になります。

用意1 前期の振り返りを1枚にまとめておく

前期にやったことと、その結果を簡単に書き出しておきます。細かい実績を全部並べる必要はありません。

手応えがあったこと・うまくいかなかったこと・その理由の3行があれば十分です。

用意2 今期やりたいことを言葉にしておく

会社の方針に合わせるだけでなく、自分がやりたいことも1つ持っておきます。「言われたことをやる」だけの目標は、期の途中でモチベーションが落ちやすくなります。

自分の言葉で「これをやりたい」と言えるものを、面談の前に一度書き出しておくと、当日に落ち着いて話せます。

用意3 確認しておきたいことをメモしておく

評価の基準や、期の途中で相談できる頻度など、疑問に思っていることをメモしておきます。面談の場では聞きそびれることが多いので、事前にメモにしておくと安心です。

スマホのメモアプリまたは手帳に「振り返り・やりたいこと・確認したいこと」と3行書いている手元

自分の希望を面談前に言葉にしておきたい方は、自分と話すノートで、今期取り組みたいことや迷っていることをメモにできます。業務の機密情報を入れず、自分の考えを整理するために使ってください。

自分と話すノートを見てみる

やりがちなずれとその防ぎ方

期首面談で起きやすいずれを、3つ挙げます。

数字だけ握って なぜやるかを話さない

目標の数字は決まったけれど、それが会社やチームにとってどんな意味を持つのかが共有されていない、というケースがあります。数字を渡すだけで終わらせず、その数字が何のためにあるのかを言葉にする時間を1〜2分でも取ると、期の途中で目標を見失いにくくなります。

上司が話す時間の方が長くなる

期首面談は、上司が方針を説明する場ではありません。本人が自分の言葉で振り返りと今期の目標を話す時間の方が、本来は長くなるはずです。話す割合が偏っていると感じたら、質問を投げて本人に話してもらう時間を増やすとよいでしょう。

面談後に何も残らない

面談で決めた目標が、その場限りの会話で終わってしまうことがあります。次の節で、面談のあとに残しておくとよいものをまとめます。

ホワイトボードや共有ドキュメントに、今期の目標を2〜3行でまとめて書いている様子

期首面談でよくあるつまずきの場面

期首面談では、似たようなつまずきが会社を問わず繰り返し起こります。ここでは、実際によくある場面を4つ挙げて、それぞれの対処を考えます。

会議室の時計を気にしながら、数字だけが書かれたメモを渡す上司と、それを黙って受け取る部下の対照的な様子

場面1 目標の数字だけを伝えて終わる

上司が「今期の目標は前期比110%でお願いします」と数字だけを伝え、部下が「分かりました」とだけ答えて面談が終わる、という場面があります。このやり取りだけでは、部下はその数字が会社やチームにとってどんな意味を持つのかを理解できないまま、今期をスタートすることになります。

数字を渡すこと自体は必要な作業です。そのうえで「この数字を達成できると、チームの中でどんな変化が起きそうか」を1〜2分だけ添えて話すと、部下が目標を自分ごととして受け止めやすくなります。

場面2 前期の話をせずに いきなり今期の話から始める

面談の冒頭から「今期は何に取り組みますか」と聞かれると、部下は前期を振り返る余白がないまま、今期の希望を言葉にすることになります。準備をしてきた部下でも、いきなり今期の話から入られると、答えがどこか上滑りした印象になりがちです。

最初の5分だけでも前期の振り返りに時間を使うと、今期の目標が前期の延長線上にあると感じられ、話がつながりやすくなります。「前期はどうでしたか」という一言を、今期の目標の前に挟むだけで十分です。

場面3 部下が何も準備できていないまま当日を迎える

「特に考えてきませんでした」という状態で面談に臨む部下も少なくありません。本人に悪気があるわけではなく、何を準備すればいいか分からなかった、というケースがほとんどです。

この場合、上司から先に「前期でうまくいったと感じることは何ですか」のような具体的な質問を投げかけると、部下が話の糸口をつかみやすくなります。抽象的な「今期の目標は何ですか」よりも、具体的な出来事から入る方が、言葉が出やすくなります。

場面4 目標が上司の言葉のまま残っている

上司が用意した目標を復唱できても、本人が納得しているとは限りません。「最初に何から始めますか」と具体的な動作を聞いたうえで、「難しいと感じる点はありますか」「支援が必要なところはありますか」も別に確かめます。

本人の言葉が出ないときは、その場で同意を急がせず、条件を持ち帰って確認する時間を設けます。理解していること、同意していること、実行できる見通しがあることを、それぞれ扱ってください。

今期の合意を5つの欄に残す

目標の合意を残す欄。成果と評価基準、本人が動く範囲、必要な支援、見直す時点

目標の一文だけでは、期末に何を見て判断するのかが曖昧なままになります。ここでは記事独自の記入例として、成果・基準・担当範囲・支援・見直し日をセットにします。数値や日付は、実際の業務に合わせて上司と本人で決めてください。

確認すること 説明用の架空例
目指す成果 問い合わせ回答の手戻りを減らす
確認する基準 差し戻しの件数と理由を前期と同じ条件で見る
本人が動く範囲 回答前に確認する項目案を作り、担当分で試す
上司や周囲に頼む支援 例外の判断基準を上司が確認し、関係者との調整を行う
見直す時点 開始から1か月後に、業務量や対象が変わっていないか確認する

その場で決まらない欄は空欄のままにせず、「誰がいつまでに確認するか」を残します。会社の方針が変わる、担当が増えるなど前提が動いた場合は、当初の目標を固定せず、変更を相談する時点も決めておきましょう。

面談のあとに残すもの

合意後の記録。目標と理由を残す、共有する場所を決める、次に確認する日を決める

期首面談が終わったあと、次の3つを簡単にでも残しておくと、期の途中で振り返りやすくなります。

今期の目標(1〜2行)

長い文章にする必要はありません。本人の言葉で、1〜2行にまとめておきます。面談の直後、記憶が新しいうちに書いておくと、あとから読んでも自分の言葉として伝わります。

目標を決めた理由

なぜその目標にしたのかという理由を、ひとことでもいいので添えておきます。理由があると、期の途中で目標がぶれそうになったときに立ち返る場所になります。

次に確認する時期

期首から期末までの間に、いつ進み具合を確認するかを決めておきます。1か月後・3か月後など、あらかじめ決めておくと、期の途中で目標が置き去りにならずに済みます。

書き留める場所と形

目標・理由・次に確認する時期の3点は、面談の議事録とは別に、本人が普段開くメモやノートに残しておくと見返しやすくなります。上司側は共有ドキュメントに、部下側は自分のノートに、それぞれ同じ3点を書いておくと、次に確認するときの認識のずれが減ります。書式を揃える必要はなく、箇条書きで3行あれば十分です。

見返すタイミング

書いたメモは、次の1on1や進捗確認の前に見返すのがちょうどよいタイミングです。面談から日が経つと、決めた理由の部分から記憶があいまいになりやすいので、最初の確認は1か月以内に一度入れておくと、目標が置き去りにならずに済みます。期の折り返し地点でもう一度見返すと、残り半分をどう使うかを考えるきっかけになります。面談から時間が経つほど、決めた理由の記憶は薄れていくので、見返す予定そのものをカレンダーに入れておくと、確認を後回しにせずに済みます。見返すタイミングを面談の場で口頭で決めておくと、上司と部下の双方が同じ日付を意識できるので、片方だけが確認を忘れるという事態も防ぎやすくなります。

目標は、決めたときより、期の途中でどう振り返るかの方が大事です。

期首面談によくある質問

期首面談前の確認。面談の時間と目的、質問する内容、話し切れない点の扱い

期首面談はどのくらいの時間で行いますか

社内の制度と議題に合わせて設定します。説明、本人の相談、合意内容の確認にどれだけ時間を取るかを事前に知らせ、話し切れなかった項目は続きの機会を決めてください。

期首と期末で 面談の内容は変わりますか

期首は「これからの目標を決める場」、期末は「結果を振り返り、評価につなげる場」という違いがあります。両方の面談例は部下との面談の質問例50選と目的別の進め方にまとめています。

部下が目標をうまく言葉にできないときはどうしますか

すぐに答えが出なくても、焦らずに前期の振り返りから話を始めると、少しずつ言葉になっていくことがあります。「今すぐ決めなくてもいい」という前提で進めると、本人も話しやすくなります。

期首面談と1on1は どう使い分けますか

期首面談は今期の目標を決める大きな節目の場、1on1は日々の状況を短いサイクルで確認する場という違いがあります。期首面談で決めた目標を、その後の1on1で少しずつ振り返っていく使い方が、無理なく続けやすいと思います。

オンラインで期首面談をするときに気をつけることはありますか

画面越しだと、間や表情の変化が伝わりにくくなります。いつもより少し長めに間を取り、相手が話し終わるのを待ってから次の質問に移ると、落ち着いて話してもらいやすくなります。

期首面談を 今期のはじまりにする

今期の始まりを整える。経験と希望を用意する、目標と支援を話し合う、次の確認日を決める

期首面談では、今期の目標、判断の基準、必要な支援、見直す時点まで確認しておきます。

上司は質問を通じて本人の言葉を引き出し、部下は前期の振り返りとやりたいことを言葉にしておく。この両方がそろうと、期首面談が単なる予定の1つではなく、今期のはじまりを言葉で確認する時間になります。

自分の希望を面談前に言葉にしておきたい方は、自分と話すノートで、今期取り組みたいことや迷っていることをメモにできます。業務の機密情報を入れず、自分の考えを整理するために使ってください。

自分と話すノートを見てみる

面談前に話すことを言葉にしておく1枚のシートが欲しい方は、1on1シートもあわせてご覧ください。

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