ギャラップ認定クリフトンストレングスコーチ(2025年取得・Gallup公式プロフィール)。東証プライム企業で管理職として部下との面談を毎期実践し、これまでに500回以上のコーチングセッションを実施。企業向けの1on1・マネジメント研修も行っています。
面談室に入って、最初の3分で話が尽きる。
部下は「特にありません」と言い、こちらは評価の説明を読み上げて、残りの時間はお互いに時計を見ている。
管理職になって最初の期、私の面談はそういう時間でした。
変わったのは、話す内容を増やしたときではなく、聞く質問を先に用意するようになったときです。
面談のたびに何を聞くかをその場で考えている方には、最後まで読んでいただく価値があると思います。目的別の質問例50と、人事面談・評価面談・賞与面談・メンター面談それぞれの進め方まで書きました。
最終更新:2026年8月18日
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部下との面談で使える質問例50選 目的別の一覧
先に質問例を一覧で出します。1回の面談で使うのは、この中から2〜3個で十分です。
50個を順に聞くと尋問になります。面談の目的に合う束から選んで、あとは相手の答えを追いかけてください。
場をほぐす質問例10 面談の入り口
- 最近の仕事で、いちばん時間を使っているのは何ですか
- ここ1カ月で、少しうまくいったと感じたことはありますか
- 今日はどんな話ができたら、来てよかったと思えそうですか
- 先週の〇〇の件、あのあとどうなりましたか
- いまのチームの雰囲気を、率直に言うとどんな感じですか
- 仕事のリズムはつかめていますか。朝と夕方どちらが調子いいですか
- 最近、仕事以外で楽しみにしていることはありますか
- 前回の面談から、何か変わったことはありましたか
- いま気になっていることを、大小問わず挙げるとしたら何ですか
- この30分、どこから話しましょうか
仕事の現状を聞く質問例10
- いま抱えている仕事の中で、いちばん重いものはどれですか
- その仕事は、どこまで進んでいますか
- 進めるうえで、引っかかっているところはありますか
- それは自分で解けそうですか。誰かの助けが要りそうですか
- 私が手を打てるとしたら、何をすると楽になりますか
- いまの業務量は、率直に言って多いですか、少ないですか
- やらなくてもいいのではと感じている業務はありますか
- 他の部署とのやり取りで、困っていることはありますか
- 最近の仕事で、手応えがあった場面を1つ教えてください
- 逆に、力を出しきれなかったと感じた場面はありますか
本音と価値観に近づく質問例10
- その件を、本当はどうしたいと思っていますか
- いまの話の中で、いちばん引っかかっている言葉はどれですか
- 仕事をしていて、気持ちが動くのはどんな瞬間ですか
- 逆に、どうしても気が進まないのはどんな仕事ですか
- それを大事にしたいのは、何か理由がありそうですか
- いまの役割で、自分らしく働けている感覚はありますか
- 言いにくいことを1つだけ言うとしたら、何がありますか
- チームの中で、自分はどんな役割だと感じていますか
- 最近、仕事で我慢していることはありますか
- いまの答えに、点数をつけるとしたら何点ですか。残りの点数は何ですか
キャリアと成長を話す質問例10
- 半年後、どんな仕事ができるようになっていたいですか
- いまの業務の中で、伸ばしたい力はどれですか
- これまでの仕事で、いちばん成長したと感じた経験は何ですか
- その経験の何が、成長につながったと思いますか
- やってみたいのに、機会がないと感じている仕事はありますか
- いまのポジションの次に、どんな選択肢があると思っていますか
- そのために、いま身につけておきたいことは何ですか
- 私やチームに、どんな機会をつくってほしいですか
- 1年前の自分と比べて、変わったところはどこですか
- 逆に、変わっていなくて気になっているところはありますか
締めと次の一歩を決める質問例10
- 今日の話の中で、いちばん残ったことは何ですか
- 次の面談までに、まず何から手をつけますか
- それはいつまでに、どこまで進んでいたら順調ですか
- 進める途中で困ったとき、どのタイミングで声をかけてくれますか
- 私のほうで持ち帰ることは、何と何でしたか
- 今日話せなかったことで、次回に回したいことはありますか
- この面談のやり方で、変えてほしいところはありますか
- 話し残した感じは残っていませんか
- 次回はいつごろがよさそうですか
- 最後に、これだけは伝えておきたいということはありますか
部下との面談は何のために行うのか
面談の目的は、評価を伝えることではなく、部下がひとりで抱えているものを早めに見つけることです。
評価の伝達だけなら文書でも済みます。顔を合わせる意味は、文書に書かれない部分にあります。
国家公務員の人事評価のために内閣人事局がまとめた面談ガイドライン(令和4年6月)は、面談の位置づけをこう書いています。
「部下の成長支援は上司の重要な責務であり、面談の場は、被評価者の更なる成長のための指導・助言を行っていく上で非常に重要な機会となります」(内閣人事局 面談ガイドライン)
放っておくと、抱えているものは面談ではなく退職の申し出で表に出てきます。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査(表5)では、転職した人が前の職場を辞めた理由のうち「職場の人間関係が好ましくなかった」は男性9.0%、女性11.7%でした。
女性では「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」の12.8%に次ぐ高さです(その他の個人的理由などを除く)。
人間関係も労働条件への不満も、辞める前に必ずどこかで小さく口に出ています。
それを受け取る場が面談です。だから質問の中身が、そのまま面談の価値になります。
面談の内容は種類で決まる 5つの社内面談の早見表
ひとくちに面談と言っても、種類によって話す内容と主役が変わります。
いま自分がやろうとしている面談がどれなのかを最初に決めると、質問選びで迷わなくなります。
| 種類 | 目的 | 主に話す内容 | 主役 |
|---|---|---|---|
| 人事面談 | 会社と本人の状態のすり合わせ | 異動・処遇・働き方の希望 | 会社と本人の中間 |
| 評価面談 | 目標の設定と評価結果の伝達 | 期首は目標、期末は結果と根拠 | 評価者が説明責任を持つ |
| 賞与面談 | 賞与の根拠の説明 | 支給の根拠と次期への期待 | 評価者が説明責任を持つ |
| メンター面談 | 斜めの関係での相談 | 職場への適応・キャリアの迷い | 本人 |
| 1on1 | 部下の成長と成果の支援 | 本人が話したいこと | 本人 |
下にいくほど、主役が部下に移ります。
評価面談のつもりで1on1をやると説教になり、1on1のつもりで評価面談をやると根拠が伝わりません。混ぜないことが第一歩です。
人事面談の質問例 会社への本音を聞き取る場
人事面談は、人事担当者や上司が本人の状態と希望を聞き取る面談です。
評価を決める場ではないと最初に伝えると、出てくる話が変わります。
人事面談の目的と評価面談との違い
評価面談が「過去の仕事」を扱うのに対し、人事面談は「これからの本人」を扱います。
異動の希望、働き方の事情、上司には言いにくいこと。評価に直結しないからこそ話せる内容が中心です。
人事面談で使う質問の例
- いまの部署での仕事を、自分ではどう評価していますか
- 働き方や環境で、会社に相談しておきたいことはありますか
- この先やってみたい仕事や、興味のある部署はありますか
- 上司との関係で、うまくいっている点と気になる点はありますか
- 会社に対して、率直に感じていることを聞かせてください
人事面談の質問で気をつけること
聞いた内容がどこまで共有されるのかを、先に伝えてください。
「ここだけの話」を約束できないなら、約束しないことです。守れない秘密は、次の面談から本音を消します。
評価面談の進め方 国のガイドラインが示す型
評価面談には、公開されているお手本があります。
先ほどの内閣人事局の面談ガイドラインは、期首面談・期末面談の目安時間をどちらも15分〜30分程度とし、進め方を段階で示しています。
評価面談の前にやる準備
ガイドラインが挙げる面談前の準備は、そのまま民間で使えます。
期首なら、提出された目標を「何を・いつまでに・どの水準まで・どのように」が含まれた内容かという観点で事前に確認しておくこと。期末なら、期中に集めた行動の事実を自己申告と突き合わせておくことです。
準備の量は、面談の長さではなく納得感に効きます。
その場で思い出しながら話す評価と、事実のメモを見ながら話す評価では、同じ結論でも受け取られ方が変わります。
期首面談でやること 目標のすり合わせ
期首面談の中心は、今期の目標について認識を合わせることです。
ガイドラインは、前期までの振り返り、今期の役割と期待の伝達、業績目標の合意形成という3段階で進めるとしています。
ここで効くのは、目標を渡すことではなく、本人に語らせることです。
ガイドラインにも「『なぜ、そう考えるのか』『具体的にどのようなことが想定されるか』など、傾聴のスタンスで深堀りを促すコミュニケーションをとり、被評価者自身が考え、言語化してもらいます」とあります。
期末面談でやること 評価結果の伝達
期末面談は、評価結果を素材にして次の成長につなげる場です。
ガイドラインは「期末面談は、評語を伝えること自体が目的ではなく、評価結果を素材として、被評価者の更なる成長のため、今後の行動等の改善や意欲の向上を図るように努めてください」と明記しています。
結果が本人の期待より低いときほど、この順番が効きます。
先に本人の振り返りを聞き、事実を挟んで結果を伝え、最後は次期への期待で締める。この型はそのまま民間の評価面談に使えます。
評価面談の質問例
- 今期の仕事を振り返って、自分ではどこがうまくいったと思いますか
- 目標に届かなかった点は、何が要因だったと考えていますか
- この評価結果について、納得できない点はありますか
- 来期はどこを伸ばしていきたいですか
- そのために、私に手伝えることは何ですか
理由を問い詰める形にしないことが大切です。
ガイドラインの表現を借りると「理由・原因を詰問するのではなく『今後どうしたらできるか、何をすればよいか』など相手の考えを尋ねる」姿勢です。
賞与面談で伝えることと質問例
賞与面談は、金額の通知だけで終わらせると逆効果になります。
本人が知りたいのは金額の先にある「何がそう評価されたのか」だからです。
賞与面談の進め方 根拠を先に話す
金額から入ると、そのあとの説明は言い訳に聞こえます。
今期の働きの中で評価した事実を先に挙げ、その結果としての金額を伝え、次期に期待する行動で締める。順番はこれだけです。
賞与面談で使う質問の例
- 今期の自分の働きを、賞与に反映されるとしたらどこを見てほしいですか
- この支給の根拠について、分かりにくい点はありますか
- 次の賞与までに、どんな成果を目指したいですか
賞与の基準そのものへの質問が出たら、その場で答えを作らないでください。
制度の話は持ち帰って正確に答えるほうが、信頼を守れます。
メンター面談の質問例 斜めの関係だから聞けること
メンター面談は、直属の上司ではない先輩が相談に乗る面談です。
評価に関わらない立場だからこそ、上司との面談では出ない話が出ます。
メンター面談の役割と上司の面談との違い
上司との面談には、どうしても評価の影がさします。
メンター面談はその影の外で、職場への適応やキャリアの迷いを扱う場です。答えを与えるより、本人が考える手伝いに徹します。
メンター面談で使う質問の例
- 入社してから今日まで、いちばん戸惑ったことは何ですか
- いまの部署で、誰に何を聞けばいいか分からないことはありますか
- 上司には聞きにくいけれど、気になっていることはありますか
- 私の同じ時期の失敗談で、聞いてみたいことはありますか
部下との面談の進め方 30分の流れ
質問がそろっても、時間配分が崩れると効果が出ません。
30分の面談なら、この配分をおすすめします。
| 時間 | やること | 使う質問 |
|---|---|---|
| 最初の5分 | 場をほぐし、今日の主題を決める | 場をほぐす質問例から1つ |
| 次の15分 | 主題を深く聞く。遮らない | 現状・本音の質問例から2〜3個 |
| 次の7分 | 認識をすり合わせ、選択肢を出す | 「本当はどうしたい?」 |
| 最後の3分 | 次の一歩と期限を本人の言葉で決める | 締めの質問例から1〜2個 |
配分の肝は、真ん中の15分でこちらが話さないことです。
面談ガイドラインも「被評価者が話したいことを自分の意思で話せるよう、話を遮らずまずは最後まで聞いてみます」としています。聞く時間を先に確保すると、助言は最後の10分で足ります。
社内面談の質問がうまくいかない4つの理由
質問例をそのまま使っても、うまくいかないことがあります。
500回以上のセッションで見てきた限り、つまずきの型は4つに絞られます。
詰問になっている なぜを重ねすぎる
「なぜできなかったのか」を2回続けると、面談は査問になります。
理由を掘りたいときは「何があれば進められそうですか」と、原因ではなく条件を聞く形に変えてください。
上司が話しすぎている
録音して測ると、上司が7割話している面談は珍しくありません。
話した時間の分だけ、部下の本音は持ち帰られています。目安は自分3割です。
答えを決めてから聞いている
「こう思うよね?」という確認は、質問の形をした指示です。
本人が違うと言える余地のない質問は、同意の記録しか生みません。仮説は「私はこう見えているけれど、実際はどうですか」と、外れてもいい形で出します。
記録が残っていない
前回の話を覚えていないと、面談は毎回ふりだしに戻ります。
話した内容と決めた一歩を1枚に残すだけで、次回の最初の質問が「あの件、どうなりましたか」に変わります。記録の型は1on1シートのテンプレートにまとめています。
部下との面談でやってはいけない聞き方と言い換え
質問は、少しの言い換えで受け取られ方が変わります。
面談で使いがちな言い方を、同じ意図のまま言い換えた例です。
| やってはいけない聞き方 | 言い換え | 変えた点 |
|---|---|---|
| なぜ間に合わなかったの? | 間に合わせるには何が足りなかった? | 原因の追及を条件の確認に |
| やる気ある? | いまの仕事で気持ちが乗る部分はどこ? | 否定の含みを外す |
| 不満はない? | 変えられるとしたら何を変えたい? | ないと答えやすい質問を開く |
| 要するにこういうこと? | いまの話でいちばん大事なのはどこ? | 要約の主導権を本人に返す |
| 頑張れそう? | どこまでなら現実的に進められそう? | はい以外の答えを許す |
共通しているのは、はい・いいえで終わる質問を開いた形に直すことです。
二択で詰めないだけで、面談の空気は変わります。
部下との面談に関するよくある質問
面談の頻度はどのくらいが適切ですか
評価面談は期首と期末の年数回、対話の面談は月1回前後から始める会社が多いです。
頻度そのものより、決めた頻度を守れるかどうかが効きます。四半期に1回でも、続いている面談のほうが信頼を作ります。
部下に「特に話すことはない」と言われたらどうしますか
「何かある?」と聞いている限り、この答えは続きます。
「最近いちばん時間を使っている仕事はどれ?」のように、具体から入ってください。話すことがないのではなく、何を話していい場なのか分からないだけ、という場合がほとんどです。
リモートでの面談で気をつけることはありますか
対面より沈黙が重く感じられるので、質問のあと待つ時間を意識して長めに取ってください。
また、画面越しは表情の情報が減るぶん、「いまの、どんな気持ちで言いました?」と言葉で確かめる回数を増やすと補えます。
面談の記録はどこまで残すべきですか
逐語の記録は要りません。話した主題、本人の言葉で残したい一言、決めた次の一歩、の3点で十分です。
本人に見せられる内容だけを書く、と決めておくと運用が安定します。
年上の部下との面談で気をつけることはありますか
経験への敬意を言葉にしたうえで、聞く型は変えないことです。
「教えてください」という聞き方は年上の部下にこそ働きます。経験の長い人ほど、聞かれる機会が減っているからです。
面談で部下の心身の不調が見えたときはどうしますか
上司が原因を診断したり、助言で解決しようとしたりしないことです。
睡眠や食事に影響が出ている様子が見えたら、話を最後まで聞いたうえで、産業医・社内の相談窓口・医療機関という専門の窓口につなぐのが上司の役割です。
「大したことないよ」と励ますのも、「休んだほうがいい」と断定するのも、どちらも面談の外の判断です。
つなぐ先を日頃から把握しておくことが、いちばんの備えになります。
部下との面談を次につなげる
面談は1回の出来で決まらず、続いた回数で効いてきます。
そのために、今日の面談で決めた一歩を記録し、次回の入り口にする。この循環を作るのがいちばんの近道です。
記録の様式は1on1シートのテンプレートと書き方に、そのまま使える形で置いています。
月1回の対話型の面談を始めるなら、場面別の聞き方を1on1で使える質問例50選で補えます。キャリアの話を深めたいときはキャリア面談の進め方が参考になります。
この記事の質問例を使ってみて、うまくいった聞き方や合わなかった場面があれば、ぜひ教えてください。
いただいた実例を反映して、リストを更新していきます。


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